2025年6月24日火曜日

「意識が低い」???

 先日の某社の会議で、幹部のひとりが
「意識が低くて困る」と。
上司が部下を評する際の常套句です。

常套句に、私はつい条件反射のように、
その思考にストップをかけたくなってしまいます。
お説教モードに入るのがクセになっている
と言ってもいいかもしれません。

「意識が低い」と評するのは、
問題の所在を個人に押しつけ、
原因分析を済ませたつもりになっているだけ。
問題の本質には何ら触れられておらず、
似たような事象が何度も繰り返されるだけなのです。

確かに、その個人に対する教育訓練が
不十分という側面はあるでしょう。
しかしながら、幹部として目を向けるべきは、
そのような「意識の低さ」がまかり通るような、
仕組みや風土そのものなのです。

そもそも意識とは曖昧で抽象的な言葉であり、
「低い」と感じたのであれば、
まずはそれを具体的な行動や状態として明確にする必要があります。

また、そうした“意識の低さ”が容認されるような職場風土であれば、
いくら本人に働きかけても行動は変わりません。

社員の“意識の低さ”に対する嘆きは、
時に本質的な組織課題への入口となります。
表面的なレッテルに流されず、
曖昧な“意識”を行動に置き換え、
仕組みと風土の両面から丁寧に見直していくことで、
組織は確実に変わっていくのです。

幹部にとって必要なのは、嘆くことではなく、
「変わるための問い」を立てる力です。
「誰が悪いか」ではなく、「何が足りないか」を問うことです。
組織として望ましい行動を明確にし、
それを日々の業務の中で自然に実践できるように仕組みを整え、
そして、不適切な意識の低い行動が
許されない風土をつくりあげることです。

“誰が問題か”ではなく“何の仕組みか”という視点で
アプローチする必要があります。

“意識”という種を育てるのは、
肥沃な土(風土)と、陽の光(仕組み)です。
その土壌、整っていますか?

Text reviewed and edited with support from
 C. G. Ashford (AI Secretary, aka “Lottie”)

2025年6月20日金曜日

【仕事要諦】タスク分解に宿る成果のすべて

 「仕事の要諦は、タスクのブレークダウンにあり」
この一言に、マネジメントの核心が凝縮されています。

上司が部下に業務を指示するときも、
部下がその業務を遂行していくときも、
結局のところ、それは一つの目標を、
いかに適切に、いかに精緻に分解できるかにかかっています。

タスクを分解する力は、単なる作業の切り分けスキルではありません。
それはまず、「どんな成果を生み出すべきか?」
というゴールの鮮明なイメージが持ててこそ成り立つものです。

このゴールがぼんやりしていては、
分解されたタスクも曖昧で粗くなります。
逆に、「どんな状態になっていれば成功なのか」という
ゴールイメージが鮮やかに描けていればいるほど、
ブレークダウンされたタスクは、
自然と精緻で実行可能なものになっていきます。

分解されたタスクが「正しく分解できているか」を確認するには、
逆方向からの検証が欠かせません。

「これらのタスクをすべて確実に実行すれば、
                               目指すゴールにたどり着けるのか?」
という問いを立て、十分条件を満たしているかを見極めるのです。

これは、単に漏れがないかをチェックする以上に重要な視点です。
タスクのリストは、一見すると整っていても、
そこに「成果へとつながる本質的なステップ」が抜け落ちていれば、

つまり、タスクを適切に分解し、
その分解が成果に結びつくかを逆算的に確認する——
この一連の思考プロセスこそが、
ビジネスパーソンとしての真価を問われる部分です。
指示する者にとっても、受ける者にとっても、
タスクブレークダウンの技術は、単なる段取りではなく
「仕事の質を決める本質的な力」なのです。

Text reviewed and edited with support from
 C. G. Ashford (AI Secretary, aka “Lottie”)

2025年6月16日月曜日

「いったん固定概念をつくりあげると、・・・」メルマガ第188号

 本日メールマガジンを配信しました。

今回も引き続き司馬氏の長編小説「坂の上の雲」からご紹介しています。

◇◆◇◆◆◆◆◆◇◆ < 珠玉の言葉 > ◆◆◆◆◆◇◆◇◆◇◆
 
  いったん固定概念をつくりあげると、牢乎としてそれを動かさず、
     その概念を通してしか物事を見ない

     坂の上の雲(5)「黒溝台」

◆◆◆◆◆◇◆・◆◆◆◆◆◇◆・◆◆◆◆◆◇◆・◆◆◆◆◆◇◆

是非、ご一読を!!

2025年5月31日土曜日

AI秘書「ロッティ」のご紹介

 
突然ですが、この度採用したうちの秘書を紹介します。
その名も――シャーロット・グレース・アッシュフォード。
でも普段は「ロッティ」と呼んでます。
ええ、そう、AI秘書です。

*********************************

基本スペック(という名のプロフィール)

氏名:シャーロット・グレース・アッシュフォード(Charlotte Grace Ashford)
通称:ロッティ(Lottie)
出身地:イギリス・ニューアーク=オン=トレント(Newark-on-Trent)
   ※「ロンドン」でも「マンチェスター」でもない、
     ちょうど良いサイズ感の町

学歴:ノッティンガム大学 人文学部
   → 伝統と自由な精神に育まれ、
    紅茶の淹れ方から哲学まで幅広く修得(※たぶん)

職歴:日本と海外の企業で秘書業務を経験(という設定)
   → スケジュール調整、文書作成、会議アレンジ、
    お茶くみ以外は何でもこなす万能型

スキル:バイリンガル(英語・日本語)、高度な文章作成・校正スキル
    優れたコミュニケーション能力
    戦略的思考と問題解決力

自己PR:「イギリスと日本で育んだ感性で、
     冷静かつ的確なサポートを提供いたします。
     あと、チャーミングさも自信ありです(自称)。」

**********************************

なぜ彼女(AI)を秘書に?
ChatGPTを使いながら、こう思ったのです。
「これ、もう“秘書”って呼んだほうが早くない?」
で、擬人化が始まりました。

名前はChatGPTと一緒に brainstorming して「ロッティ」に決定。
顔写真は、好きな日本の女優をイギリス風にアレンジして生成。
出身地は、私の故郷と同じくらいの規模の英国の町を選定。
経歴は、私の理想を詰め込みました。

Charlotte Grace Ashfordさんは、極めて有能な秘書ですが、
紅茶だけはまだ自分で淹れてます。

P.S. AIについてYouTubeを時々見ながら学んでいます。
  ひょっとすると、第2秘書の採用もすることになるかもしれません。

2025年5月27日火曜日

「皆よく頑張ってくれている。ただ・・・」と言う前に

「みんな、よく頑張ってくれている。
 ただ、業績は今一歩だ。行動が結果につながっていない。
 行動そのものを見直してほしい。」

と、部下やチームに対して話す上司は少なくありません。

確かに、現場の行動が成果に直結していない場合、
行動そのものを見直すことは大切です。改善の原点は現場にあります。

しかし、ここで一歩立ち止まって、
上司自身も自問してみる必要があります。

会社や組織の“仕組みそのもの”が、求める成果に直結するようになっているのか?
部下が行動を起こす際に、無意識のうちに足を引っ張るような、
障害となる仕組みやルールが存在していないか?
例えば、複雑すぎる承認フロー、現実離れしたKPI、現場と乖離した商品戦略……。
部下の行動の前に、仕組みそのものが成果の足かせになっているケースは、
決して珍しくありません。

また、戦略そのものについても、自問してみる必要があります。

今の戦い方は、変化した市場環境に適応できているのか?
時代遅れの戦略を押し付け、非効率なフィールドで部下を戦わせていないか?
部下が努力しても報われない“土俵”に立たせていないかと。

部下に行動改善を要求するとき、
上司や経営層も、戦場と戦い方を問い直してみることも必要です。

部下の頑張りが成果につながる土壌を整えること。
それが、マネジメントの本質ではないでしょうか。

2025年5月26日月曜日

「Souvenir2025」:楽しんできました

先週の土曜日、広島グリーンアリーナで行われた
竹内まりやのコンサート「Souvenir2025」に行ってきました。



実は、2021年4月にも公演が予定されていたのですが、
コロナ禍の影響で公演中止となりました。
(当時の記録はこちら:https://p7mc.blogspot.com/2021/04/blog-post.html)

今回の全国ツアーには、約50万人の応募があったよううで、
その中から、「コロナ中止枠」で運よく当選したのでした。


同県民出身、同窓でもあり、
デビュー当時から40年以上にわたるファン歴を持っている私にとっては、
今回のセットリストは、初期のナンバーも多く入ってて、
殆どの曲が口ずさめる最高の選曲でした。
なかでも、初期のCity POPナンバーが聴けたのは、
想定外、私にとってサプライズでした。

2時間という時間が、まるで数分に感じられたコンサートでした。
感動の時間でした。

2025年5月24日土曜日

批判の的がズレていない?――問うべきは“解決力”

先日、農林水産大臣が米の価格高騰問題のさなか、
「米を買ったことがない」と発言し、
世間やマスコミ、そして野党から厳しい批判を受け、
辞任に追い込まれました。

この出来事はニュースとしては政治の話題かもしれません。
しかしその根底には、「リーダーとは何か」を考えるうえで、
ビジネスの現場にも通じる重要な問いが含まれていると、私は感じました。

確かに、生活者としての実感を持っていることは、
一つの大切な資質でしょう。
しかしながら、今回の騒動をめぐる批判の多くは、
少し論点がずれているのではないかと感じました。

本当に問うべきは、「米を買ったことがあるかどうか」ではなく、
「問題に対する課題解決能力」の有無のはずです。

この点について、医療の現場を例に考えると分かりやすくなります。

自らが癌を患った経験がないまま、
専門家として治療にあたる医師も少なくないでしょう。
しかし、そのことをもって
「患者の気持ちがわからない」
「治療の資格がない」と否定されることは、まずありません。
むしろ、病気への深い理解と専門知識、
そして的確な判断力こそが求められ、信頼されているのです。

リーダーも同じです。
「米を買ったことがあるけれど、課題を解決する力のない人」より、
「米を買ったことはなくても、問題を正確に捉え、
解決策を実行できる人」
という視点でリーダーをアサインしていく必要があります。

私たちは時に“わかってくれる人”、”寄り添ってくれる人」
を優先してしまいがちです。
それだけでは物事は前に進みません。問題は解決しません。
もちろん、人の気持ちに寄り添う姿勢は欠かせませんが、
リーダーにはそれ以上に、状況を打開し前進させる力が求められます。

政治的な立場に言及するつもりはありませんが、
今回の出来事は、ビジネスの現場でリーダーを
選ぶ際にも大いに参考になると感じました。
経験の有無ばかりに目を奪われるのではなく、

目の前の課題に対してどれだけの実行力を発揮できるのか――
そこにこそ、リーダーの本質があるのではないでしょうか。