2011年6月15日水曜日

「効率」という安易な基準に流され・・・・:村上春樹さんスピーチ

夕方、帰りの車の中でラジオを聴いていると、
村上春樹さんのスペイン・カタルーニャ国際賞
受賞スピーチが流れてきました。

原子力発電を推進すべきではなかった、という趣旨です。
(このスピーチの全文:http://mainichi.jp/enta/art/news/20110611k0000m040019000c.html )

そのスピーチの中で、

「効率という安易な基準に流され、

 その大事な道筋を我々は見失ってしまったのです」

という部分があります。
効率という安易な基準から原子力発電に至ってしまった、と。


原子力発電そのものの是非についての論議は別として

効率を求めた故に、経営成績が芳しくなくなった、
というケースが企業経営には発生するのです。

効率を求めること自体は、推進すべきことです。

しかしながら、闇雲に効率を求めては重大な問題が発生します。
効率という基準をどう取り込むか?ということがKEYです。

それは、効率をどこまで求めるか? 
という「程度」によるものではありません。

どの領域に効率を求めるか? 
という「領域」によるものです。

すなわち、効率を求める領域と、

非効率でも許容する領域を峻別する必要がある
ということです。

その領域を分かつ基準というのは、

自社の競争力の源泉になる部分であったり、
自社の特徴を形作っている領域であれば
あえて、非効率でも容認すべき部分です。

逆に、上記以外の領域は、「乾いたタオルでも更にしぼる」
くらいの徹底した効率を追求すべき部分です。

自社の大切な競争力・特徴分野に、
効率という概念をあてがってしまったのでは、
自社の大事な道筋を見失ってしまうことになります。

そして、ライバルとの区別が薄くなっていき、
大きな波の中に呑み込まれてしまうことになります。

村上さんの

「効率という安易な基準に流され、

 その大事な道筋を我々は見失ってしまったのです」

は、経営重ね合わせて、常に忘れてはならない、大切な一節です。