「みんな、よく頑張ってくれている。
ただ、業績は今一歩だ。行動が結果につながっていない。
行動そのものを見直してほしい。」
と、部下やチームに対して話す上司は少なくありません。
確かに、現場の行動が成果に直結していない場合、
行動そのものを見直すことは大切です。改善の原点は現場にあります。
しかし、ここで一歩立ち止まって、
上司自身も自問してみる必要があります。
会社や組織の“仕組みそのもの”が、求める成果に直結するようになっているのか?
部下が行動を起こす際に、無意識のうちに足を引っ張るような、
障害となる仕組みやルールが存在していないか?
例えば、複雑すぎる承認フロー、現実離れしたKPI、現場と乖離した商品戦略……。
部下の行動の前に、仕組みそのものが成果の足かせになっているケースは、
決して珍しくありません。
また、戦略そのものについても、自問してみる必要があります。
今の戦い方は、変化した市場環境に適応できているのか?
時代遅れの戦略を押し付け、非効率なフィールドで部下を戦わせていないか?
部下が努力しても報われない“土俵”に立たせていないかと。
部下に行動改善を要求するとき、
上司や経営層も、戦場と戦い方を問い直してみることも必要です。
部下の頑張りが成果につながる土壌を整えること。
それが、マネジメントの本質ではないでしょうか。