2009年10月26日月曜日

「目的」を失い「型」だけが運用される

「相続人の方すべてに、立ち会っていただかないと・・・」
「冗談じゃない・・・、東京から、外国からも呼び集めろ・・・って言うの?」
「それが当行のルールでして・・・」
「このお金引き出したら、2度と預けんわ!!」

ある第2地銀とのやりとり。窓口が上記のルール一点張りで、譲らない。
業を煮やして、銀行のお客様相談室に電話で確認。
お客様相談室も、分割の時は呼び集めるのは不要だが、支払いの時は召集がいるという。

という相談を受けた。
相続人を全部集めろ・・なんて信じられない。外国に居住していたらどうすんだろう??
本当に素朴な疑問が湧く。

銀行の支店に話をつけにいくと・・その、窓口の担当がでてきた。
今までどおりの繰り返し・・・埒があかない。
上司を呼び出し・・・聞いてみると。

相続人を全員集めるという趣旨が理解できた。

 ・分割の書類時の全員召集という意味は、事務が一度に片付くから・・・という趣旨
   → ならば、必要な書類をきちんと相続人の誰かが責任をもってそろえれば、
     全員集まる必要は無いのか?・・・必要なしとの回答
     
 ・支払い時の全員召集というのは、現金で支払うことが前提。
   → ならば、現金でなく、銀行振込みならば、全員集まる必要が無いのか?
     必要なしとの回答。

ということは、書類をきちんとこちらで揃え、そして引き出しも現金でなく、
銀行振り込みならば、相続人が集まる必要がない。という結論に至った。

相談人は、何度も銀行に足を運び、嫌気がさしている状態にまでなってしまっている。
多分、この銀行との縁は、これまでで終わりということになるだろう。

この銀行の対応のような話は、コンサルティングをしていて頻繁にある。
目的を失い「型」だけが運用されている。というケースである。

目的を達成するためにある型がいる。そしてその型は、状況において異なってくる。
その型を目的、状況にあわせて運用するのが、知的な業務を推進するものの役割である。

雛形を顧客にはめ込む方が、会社にとって安全で、簡単である。
確かに、今までどおりの型で処理をしていれば、
何の問題も会社としては発生しなのかもしれない。

しかしながら、会社の楽な方法を顧客に押し付けては、顧客が逃げて当然。
顧客を処理する対象という観点でしか、扱っていない。

あなたの会社ではこのような

「目的」が失われ「型」だけが運用される

ということは発生してないだろうか?

今までの型は、目的と現在の(顧客の)状況とマッチしてるだろうか・・・・
と再度問い直してみてはいかか?

一段のレベルアップにつながるかも知れない。

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