以前、「ブルー・オーシャン戦略」という戦略論が、
流行したことがあります。
血で血を洗う激しいレッド・オーシャン市場から、
競合相手のない市場のブルーオーシャンを切り開くべきだ・・
というものでした。
この「ブルー・オーシャン戦略」というネーミングをもじって、
「グリーン・グラス戦略」をご紹介しましょう。
「一度、顧客に食い込めば、
その後リピートが発生するビジネスがいいみたいだね・・・」
「それ、どなたから聞かれました?」
と確認してみると、
案の定、リピート頻度の低い業種の社長からとのこと。
「それを、『グリーン・グラス戦略』と言います。
隣の芝生が青く見える・・・・というやつです」
確かに、住宅販売のように、
一度家が完成すると、
その後にリピートや関連する商品が少ない、
という業種からは、
一度、顧客に食い込めば、リピートが発生する形態のモデル
は羨ましいに違いないでしょう。
しかしながら、その羨む業種も、
顧客に食い込むために、
巨額の販促費を投入したり、
初期価格を抑えていたりで、
途中で、他社に代わられては、回収ができない、
いかにして、途中で顧客が他社にチェンジしないようにするか・・・
に腐心しているのです。
そして、最初にドカンと収益が獲得できるモデルを
羨ましく思うこともあるでしょう。
要するに、どちらのモデルが良いか・悪いか、という問題ではなく
いずれのモデルもそれなりの課題を持っていることを
認識する必要があるのです。
自社と違うモデルを羨むのは
まさに、隣の芝生が青く見える現象で、
「グリーン・グラス戦略」という
選択を行ってはならないものです。
大切なのは、自社のモデルの課題をきちんと認識して
取り組むことに他ならないのです。