2012年3月26日月曜日

不調な時こそ、計画が必要・・

某公共機関から、ある会社の経営相談の要請がありました。


「今月末の資金繰りが・・・」
ということで、その会社の経営者は、
銀行から借り入れることを考えていらっしゃいました。
どうも、その金策の説明を受けても、すっきりしません。


収支の計画(営業収支、財務収支等)を
きちんと立ててみましょう・・・


すると、今月の資金繰りの問題だけでなく、
3ヶ月後と4ヶ月後に、再度キャッシュ不足に陥ることが明らかに・・・


そして、年単位でその計画を眺めてみると、
銀行の返済と、営業収支のバランスが完全に崩れていて、
今月、3ヶ月、4ヶ月後の資金を何とかしても、
同様の現象が発生する構造になっていました。
抜本的に、このバランスを見直すことになりました。


計画を立案して、
今月だけでなく、来月、四半期、半年先、1年先、3年先
を考えてみることによって、本質的な問題点が
明らかになることがあります。


好調な時は、計画の立案も前向きな気持ちで
取り組むことができるものです。
しかしながら、
不調な時や逆境の時には、
できるだけ見たくない、
と遠ざかってしまいたくなるものです。


不調な時にこそ、計画の立案は不可欠なものなのです。
どうやりくりしていくか?
どう切り抜けるか?
どこを、徹底的に押さえる必要があるのか?
何がポイントなのか?
ということを計画を通して徹底的に考える必要があります。


Myopia(近視眼)にならないように、
心しなければなりません。

2012年3月20日火曜日

メルマガ第29号発行しました

司馬遼太郎作品に学ぶ経営心得 第29号を本日配信しました。
今月の珠玉の言葉は、


「俵に、『高田屋』という経木がついているかぎり、買い手が、俵の中身を検査せずに買う。」


江戸後期の商人、高田屋嘉兵衛の物語「菜の花の沖」から取り上げました。
左の写真は、高田屋のブランドマークです。

是非ご一読ください。
(本ブログ、右の欄のガシェット「司馬遼太郎作品に学ぶ経営心得」の
メルマガアーカブをクリックください)

2012年3月19日月曜日

リスクを取らないのが最大のリスク

業績が今一歩の会社は「このままじゃ、いかん」と肌身に感じ、
業績の好調な会社も、将来を考えると「このままじゃ、いかん」
問題設定するものです。


ではどうするか?


検討に移ります。


「△△案は、○○でいいんだけど、××で問題がある」
という方程式にのっとったものばかり。


どれをとってみても自社にとって都合のいい選択肢にはありません
それぞれに、何らかの問題や課題があり、
それぞれに、リスクがついてまわります。
あったとしても、詐欺まがいか非合法の話くらいです。


それでも、何かあるだろうと探し続ける。
新しい方向が決まらず、時間だけが過ぎていく。
その間、他社は失敗を繰り返しながらも
新しいことに踏み出している。
そして、気づいたときには時すでに遅し、ということにも・・


ビジネスには、必ず不確実性がつきものです。
すなわち、リスクと切っては切れないものなのです。


大切なのは、リスクを受け入れる覚悟なのです。


リスクを取らないでズルズルと引っぱる
それが、ひいては会社の存亡に係る
最大のリスクになりかねません。


新興の会社のことを、「ベンチャー企業」と言います。
ベンチャーとは冒険という意味です。
大きなリスクを伴うということで名付けられたのでしょう。


リスクをテイクするというビジネスの性質からすると
企業は、ずっと「ベンチャー企業」で有り続ければなりません。


生まれたての小さな会社は「ベンチャー(大冒険)企業」だけど
成功し大きくなっても「ミニ・ベンチャー(小冒険)企業」
でありつづけねば・・

2012年3月12日月曜日

購入履歴・顧客を知る

より顧客を知ろう、顧客に近づくために・・・
と顧客の購入履歴を整理することがあります。


・A商品は定期的に購入継続中
・B商品の購入が止まっている
・C商品は購入実績がない
・D商品の購入インターバルが長くなっている


等々があきらかになり、顧客の全体の購入状況を把握できる
という意味で一歩前進することができます。


この全体像を把握した後に何をするか?
これが問題です。


・B商品の購入を復活させよう
・C商品は新規に提案してみよう
・D商品はインターバルが長くなってるから、定期的にプッシュしよう
 ・・・・等々


ということを考え、そしてアプローチ方法を検討していくのが
そのほとんどです。


しかしながらこれは、重要なステップが欠落しています。


そもそも「顧客を知る」というこを目的に、
購入履歴というデータを整理したのです。
これでは、購入履歴の整理が、未購入品の購入促進にはなれども、
決して顧客を知るということには十分とは言えません。


欠落してはならない重要なステップは、
「購入履歴から、顧客を想像する」
ということなのです。


B商品の購入が止まったから復活させよう、
と考える前に、なぜ購入が止まったんだろう・・・
と思いを巡らせるところに、大切なポイントがあるのです。


・正しく使えなくて、期待した効果が出なかったのかな・・
・効果が出る時期まで、待つことができずに諦めたのかな・・・
・顧客の取り巻く環境の変化で、商品がミスマッチになったのかな・・等々


顧客の状況についていろいろと仮説を立てる、
その情報の一つとして購入履歴を活用するのです。


顧客が、期待して購入してくれた商品が、期待通りの成果・効果を
発揮しているのか、役立っているのか・・・と
顧客を憂うことです、思いを巡らせる、心配りをする。
これが、購入後のフォローの本質です。


自分の事を心配してくれている、案じてくれているという
フォローならば、顧客の側は決して悪い印象を持つどころか
逆に好感を持ってくれるでしょう。


逆に、この憂い・思い・心配りのステップの飛ばし、
商品の提案を行うのは、顧客にとって迷惑千万。煩わしいだけ。
某化粧品会社のCMのように「当社は一切電話はしません」というのが
いいのかもしれません。


購入履歴を整理した後に、ワンステップ入れるか入れないかで
顧客にとって、喜ばれるか、疎まれるか大きく違ってきます。

2012年3月6日火曜日

「絶対的な基本」がある

前中日ドラゴンズ監督 落合博満さんの著書「采配」を読む機会がありました。
その中で、印象的だったのが、


技術、仕事の進め方には「絶対的な基本」がある。
しかし「絶対的な方法論」はない。


というくだり。
コーチ陣や先輩が、選手が早く成長するようにと、
方法論を指導することに対して問題提起をしているのです。


物作りにおいても、サービスの提供においても、
この工程を間違えると、後々取り返しがつかないという
ツボにあたる部分があるものです。経営もしかり。


しかしながら、そのツボの押さえ方は、
それぞれの状況によって違うものです。
大切なのは、ツボから外れずに、そして適切な力で
押さえているかということだけです。


指導すべきは、
少しツボから外れつつあるぞ・・・
押す力が少し弱くなっているぞ・・・
という「絶対的な基本」の部分です。


落合選手・監督は「俺流」と言われてきました。


何もかもがが俺流だったわけでなく、
「絶対的な基本」は極めて常識的で、
原理・原則にもとづいたもので、
その基本を実現する方法論が俺流だったのです。

2012年3月2日金曜日

「この2年でやったのは当たり前のことばかり」

2月29日の日経新聞「ニッポンの企業力」でJALの復活について
取り上げられていました。


破綻前に「JAL再生タスクフォース」が結成され再建計画を
まとめ国土交通省に報告しました。
しかしながら、それは諸々の理由でお蔵入となりました。


その後2010年にJALは会社更生法を申請し
稲盛会長が再建を引き受け経営にあたりました。
2012年3月期には最高益の見込み、と復活を遂げました。


稲盛会長が行ったことは、実はタスクフォースの描いた計画と
大きく変わることがなかった、奇策なし、という内容です。


「企業再生にはマジックはない。結局、誰がやっても同じ絵を描いたと思う」
「この2年でやったのは、当たり前のことばかり」


とタスクフォースのメンバー、そしてJALの元経営企画担当のコメントも、


不振企業に施す処方箋のほとんどは正攻法。
部外者は「マジック」と呼びたがるが、
冷静に現状を分析し、合理的な決断を下しているだけだ。
日本の不振企業の多くは、当たり前の決断ができなくなっている。

という内容でした。


「当たり前のことを、実行する」
一番難しいことなのかもしれません。


組織の中にいると、当たり前のことが
組織の論理で歪められていたり・・・
利害対立のために実行できなかったり・・・
と、これは組織が持っている性のひとつです。


この組織の性に埋没し、「組織に使われるリーダー」ではなく、
組織の性を理解し、「組織を使うリーダー」でなければならない
ことを肝に銘じなければなりません。


そして「当たり前のこと」とは何かを、
改めて問い直してみる必要があるのかもしれません。