長年、経営コンサルタントという仕事をしていると、
「経営には、何か特別なノウハウがあるのですか」
と聞かれることがあります。
もちろん、経営には様々な理論や手法があります。
それらを学び、使いこなすことも必要です。
しかし最近、こんなことを思います。
「経営の基本は、人生の基本とそれほど変わらないのではないか」と。
約束したことは守る。
相手の立場になって考える。
何かを始める前には、きちんと準備する。
うまくいかなければ、原因を考えてやり方を変える。
間違えたら、素直に認めてやり直す。
そして、何のためにやっているのかを忘れない。
こうして並べてみると、どれも難しい経営理論ではありません。
子供の頃から教えられてきたような、ごく「当たり前」のことばかりです。
ところが、会社という組織の中では、
この「当たり前」が、いつの間にか見えなくなることがあります。
「この業界では、これが普通だから」
「うちの会社では、昔からこうしているから」
「前任者から、このやり方で引き継いだから」
そんな言葉が積み重なっていくうちに、
本来なら「ちょっとおかしい」と気づくはずのことまで、
会社の中では「常識」になってしまいます。
いわば、「業界の常識」や「会社の常識」という森の中で、
迷子になってしまうのです。
そんな会社を前にした時、経営コンサルタントとしての私の役割は、
何か難しい理論を持ち出すことではないように思います。
「そもそも、何のためにやっているのですか」
「お客様の立場から見たら、どうでしょう」
「普通に考えたら、それはおかしくありませんか」
そんな問いかけをしながら、一度、原点まで戻ってみる。
すると、複雑に見えていた問題が、
案外、単純な問題だったことに気づくことがあります。
経営には、新しい知識も必要です。
新しい技術も、様々な経営手法も必要でしょう。
しかし、新しいものを学ぶことと同じくらい、
大切なことがあると思います。
それは、
「当たり前のことを、当たり前に考えること」。
そして、その「当たり前」が、
いつの間にかおかしな常識にすり替わっていないか、
時々立ち止まって確かめることです。
コンサルティングとは、特別なことを教える仕事ではないのかもしれません。
会社の中で見えなくなってしまった「当たり前」を、
もう一度、見えるようにする。
そして、迷子になった会社と一緒に、
「そもそも、何のためにやっているのか」という原点に戻る。
それが、私の考えるコンサルティングです。
考えてみれば、これは経営だけの話ではありません。
仕事も、家庭も、人間関係も、そして人生そのものも同じです。
迷った時ほど、難しい答えを探す前に、一度「当たり前」に戻ってみる。
案外そこに、進むべき道が見つかるのではないでしょうか。
Text reviewed and edited with support from Charlotte Grace Ashford
(AI Assistant, aka “Lottie”)

