2009年7月30日木曜日

最終校正中

出版予定の本の最終校正原稿が、昨日送られてきました。
昨夜深夜までチェック、そして本日も。
その中には、本のカバーのデザイン案も2案一緒に入っていました。

1つのデザイン案は、私のアイデアをベースに作成されたもの。
もう一つは、編集者がコンセプトを伝え、デザイナーのオリジナル案。

たまたま、昨日原稿が届いた時にクライアントと打ち合わせの途中だった。
話のついでに、デザイン案を見てもらたところ、どうも臼杵案でなくて、デザイナー案
がよさそうな感じであった。

その後、本文の一部を読んでみてもらった後では、臼杵案が優勢。

私設編集長も、デザイナー案。
そして出版社の編集部の中の感想もデザイナー案

一晩考え、出版社にも相談した。結論はデザイナー案。臼杵案は「没」

下記の二つの理由から、デザイナー案にすることにした。

① 情報が多すぎる
   当然、私には思い入れがある。いろいろなことを伝えたい。そして表現したい。
   そうなると情報量が多くなってしまう。たとえ情報量が多くなっても、
   自分はその情報の1つ1つの面白さ・重要さについて説明できる。

   しかしながら、相手の立場に立てば、情報量が多すぎることになる。混乱してしまう。
   いずれ、本は、私を離れて一人歩きする。一人歩きすれば、その情報の意味に
   ついて私はいちいち説明して回ることはできない。
   1つ1つの情報が面白味が希薄になる。

   著者の思いいれが、かえって伝わらなくなる。
   という理由から、情報量の多い自分の案を没にした。

② AIDMAモデルで考えると・・・

  「AIDMA」モデルとは、消費者の態度変更プロセスのモデル。
  消費者は、
  ・Attention(注意) 
  ・Interest(興味)  
  ・Desire(欲求)
  ・Motive(動機)
  ・Action(行動)
  というステップで購入に至るという理論である。

  本のカバーのポイントは、先ずは眼に留まる・注意を引く、「A」の部分・・・というところ。
  パッと見が重要。
  そして、その次に本を手にとってみる・・・という興味に変わる・・

  上記の通り、本の内容を知らない人は、デザイナー案が選択される傾向が強かった。
  
  内容を読めば、私の案もなるほど・・・と言ってもらえるのかも知れない。
  しかしながら、これは、上記のAIDMAの、「A」、「I」を通りすぎ、「D」までステップアップした人、
  いや「M」までステップアップした人を前提としていることになってしまう。

  その意味では、デザイナー案は「A」を前提としており、
  私の案は「D」または「M」を前提としていることになる。
  
  つまり、私の案の一足飛びを前提としており、
  「AIDMA」モデルの上では無理がある。

  と判断したというのが、2つめの理由。

ということで、残念ながら私のカバー案はNGとなりました。

特に、「AIDMA」モデル、「AMTUL」モデル、そしてセールスステップ等々のように
段階的に考えるという、考え方が役立った。

当然、経営のいろいろな場面でこの段階的な考え方は、適応でき応用できる。
是非、活用されてみてはいかがか・・・・

2009年7月25日土曜日

ホームページ見ていただき有難うございます

不思議なことに昨日たて続けに3人の方から「ダイアリー見てます」と教えていただいた。
時間を見つけてちょくちょく書いている甲斐があった・・・・と嬉しかった。

いままでホームページについていろいろなコメントを頂戴しました。

・「ノウハウ出しすぎていない?」
・「BMWのコピーかっこいいですね」
・「悩んだりしたときに、見るんです・・・」、
・「元気に活躍されている様子がわかります・・」
・「おい、スペルミスがあるぞ・・・」
・「より多くの人に見ていただけるように、販促を打ちましょう・・・」
・「なかなかセンスがいい」
・「勉強になります」
・「臼杵さんらしい・・・」
・「ちょっと、意味のわからない部分があるけど・・・」
・「あるページが重たく見るのに時間がかかる・・・・」等々

沢山のご意見を頂戴しました。
そして、修正できるものは何とか修正してきました。
いままで、ご不便をおかけしながらも、見ていただけたことを心より感謝いたします。

「イチローの話」、「うさぎと亀の話」等々、唐突な話題であることがあります。
これは、ある会社へのメッセージであったり、ある人へのメッセジーであったり・・・・、
いろいろと背景があります。ご理解賜りたいと存じます。

いずれにしても、
なかなか文書では伝え切れないというもどかしもありますが、
創業理念を中心に、何らかのお役に立てるような形で
情報発信できたらと思っております。
引き続きよろしくお願い申し上げます。

2009年7月24日金曜日

「少しづつ動きが変わってきたで・・・」

本日某社の社長への報告会・・・
「少し、動きが変わってきたで・・・」
との社長のコメント。

新たな展開に向けて必死に活動している。

・新たな人材の採用
・社長の陣頭指揮
・コンサルティングを通じての課題の明確化、そして揺さぶり等々

いろいろなことが、重層的に重なって、今まで何度も指示を出していたものが
動き出したようである。

脱皮に向けて、動き初めている。
私の経験からの勘からすると、1年以内に相当変化しそうな感じである。
手を緩めることなく、課題に向けて徹底的に支援していく。
素直にうれしい。

山は、あと5~6つはあると思う。

某社の皆さん、この一年もがくだけもがいていきましょう。
「絶対に成功させる」という強い決意で突っ走りましょう。

2009年7月22日水曜日

偉大なバッター:イチロー

偉大なバッター言えば、「イチロー」。
今年も大リーグのオールスターで、先頭バッターで第1打席にヒットを打った。
また、昨年のオールスターでは、初のランニングホームランも記憶に新しい。

年間最多安打を打った年の実績を見てみると・・・

   年度    試合数   打数   ヒット数  打率
   2004     161    704    262   0.372

という実績で、日米の注目を集めた。

普通「良い打者」と言われる2割8分の打者と、3割5分を打つリーディングヒッターを比べてみよう。


イチローが3割5分の年の実績は

   年度    試合数   打数  ヒット数   打率
   2007     161    678    238   0.351
だった。

2割8分の普通のいい打者であれば、イチローと同様の打数の場合
年間190本(678×0.28)のヒットを打つことになる。

イチローとヒットの差は、48本(238-190)。

試合数をこのヒット数で割ると、3.35試合/本

この3.35試合/本の意味が実は重要。

すなわち、2割8分の良い打者より、3.35試合に1本多くイチローは打っているだけなのである。
言い方を変えれば

2試合見ただけでは、イチローと2割8分の打者のヒット数は変わらない。
3試合見て、イチローの方が1本だけヒットが多い・・・

微妙な違いなのである。
この微妙な差のために、彼らは、ファンの想像の超えた努力をしている。

ビジネスのいろいろな場面でも同様のことが言える。
特に、人を相手にする確率論的な側面の営業などではピッタリはまる。
ある手法を用いたから100%受注ができる・・・ということなどは絶対にない。

この微妙な違い・差が重要であることを認識する必要がある。

来店客数で、100人と105人を感覚的に認識することが難しいように
この微妙な差というのは感覚では、なかなか認識できるものではない。
きちんと記録をとって、自ら客観的に把握するしかない。

そして、その数割・数分の改善のために、懸命な努力をすることが必要なのである。
ライバル会社との微妙な差・違いがその差別化を生む源泉となったりする。

イチローの華やかなレーザービームで感動するかたわら、
この数割、数分の微妙な違い・差への努力の必要性を、思うのである。

2009年7月14日火曜日

ある広告!!


いつもは書斎のデスクトップを使うのだが、
久しぶりにリビングのデスクトップを使った。
いつかご紹介しようと思っていたネタが、
デスクトップの上に掲げあるのを思い出した。
そのネタとは、左のパネルのこと、何年か前の、新聞の一面広告。

その中には、下記のような言葉が・・・・

大人の哲学をもち、 子供のような純粋さを持つ人

主流なのに、 心は反主流である人

スーツを着こなすが、 ジーンズもはきこなす人

寡黙ではあるが、 説得力のある人

人生も語れるが、 ジョークもうまい人

有意義も好きだが、 無意味なことも好きな人

後部座席にも座るが、 ステアリングも握る人

ワインにも詳しいが、 恐竜にも詳しい人

常識は持っているが、決して縛られない人

ITには強いが、 手紙は万年筆で書く人

家庭を愛しているが、 時には家庭を忘れられる人

孤独も好きだが、 社交も上手な人

ブランドは好きだが、 依存はしない人

伝統は重んじるが、 新しいことも好きな人

クラシックも聴くが、 ロックも好きな人


知性だけでなく、 遊び心も持っている人

ゴルフだけでなく、 サッカーにも夢中になれる人

常に冷静だか、 時には情熱的になれる人

剛胆であるが、 細かな気遣いも大切にする人

仕事には厳しいが、 女性にはドアを開けてあげる人

自信はあっても、 過信はしない人

美術館にも行くが、 ジムにも行く人

協調もできるが、 反論もできる人

夜更かしはするが、 朝きちんと起きる人

守るものが多くても、 冒険のできる人

お金は堅実であるが、 使うときには大胆な人

部下には優しいが、 上司には厳しい人

食べるのも好きだが、 料理もできる人

現実主義者であるが、 夢を忘れない人

上質にこだわるが、 贅沢は好きじゃなない人

都会も好きだが、 誰もいない海も好きな人

毅然としているが、 映画で泣ける人

自分の誕生日は忘れても、 約束の時間は守る人


どうでしょう、なかなかかっこいいと思いませんか?


両極端を持ち合わせている人をイメージして書いた内容でないかと思います。

この内容見たときに、ある米国作家F・スコット・フィッツジェラルド)

有名な言葉を思い出しました。そして、武士道でいう「中庸」のこと・・・と


実は、これはBMWの広告。


BMWのセールスマンに電話して「ポスターあったら下さい・・」とお願いしましたが、

残念、ポスターはないということで、新聞を切り抜いて額に入れることにしました。


つねづね、経営者、そしてリーダーには


「厳しさ」と「優しさ」

 「敏感」と「鈍感」

 「攻め」と「守り」

「大胆さ」と「緻密さ」等々


という2面性が求められていると思っている。

この2面性の必要性をうまく、具体的に表現したコピーだった。


2面性を使う場面を間違えれば、狂人。
   足して2で割ったパターンは、凡人。
2面性を、適切に使い分けられば、賢人。

人間修行が、リーダーには必要なのかも知れない。

2009年7月13日月曜日

「全体がおかしいのでは?」・・・・・

昨日の夕方のNHKの番組で、立教大学で、小田和正に佐野元春が公開インタビューする
という番組を放映していた。
小田和正はご存知のように、元オフコースを経てソロ活動・・・多くのヒット曲を作り出した、
吉田拓郎、井上陽水、等々とならぶ大御所のひとり。

メロディーが先に浮かび、その後に歌詞を付けていくとい方法で、曲を作っていくらしい。
本人いわく「歌詞をつくるのは苦手」。

学生が質問した「メロディーのある部分に、ピッタリとはまる歌詞が浮かばない時は、どうしますか?」

「一所懸命考えます」と答えるところから始まり、
どうしても、その部分にピッタリとはまる歌詞が見つからないときは、
全体がおかしいのではないかと全体構成を、見直し、一からやり直すこともある。

という趣旨のものであった。

日本軍の組織論的研究の「失敗の本質」(野中郁次郎他 ダイヤモンド社)において、
学習のパターンとして次の2つを挙げている。

目標、問題構造を所与ないし一定とした上で、最適解を選び出すという「シングル・ループ学習」
目標、問題の基本構造そのものを再定義し変革し、自己自体を変革するという「ダブル・ループ学習」

そして、日本軍の学習パターンは、上記のシング・ループ学習であり、
ダブル・ループ学習と対比して決定的な欠陥を持っていた、と分析している。

小田和正さん、ダブル・ループ使ってる。すごい・・・と思った。

ある商品がなかなか売れない。
営業力強化という一面だけでなく、全体を見てみる・・・・

 ・戦略的な視点から
 ・いわゆるマーケティングの4Pとい言われる要素から
 ・他のシステムとの整合という視点から
 ・組織的な視点から
 ・経営資源の配分の視点から
 ・風土の視点から等々

全体の構造的な問題のために、部分的な問題が発生していることがある。
「木をみて、森を見ず」ということがならないように、全体を見るということを忘れてはならない。
コンサルティング論のところでも、言及しています)

余談ですが、
この前の原稿の校正をしていたとき、ある章の数行の部分がしっくりこない。
どう修正しようか・・・と思案していた。
結局、その章自体、全体の構成を修正して、やっとすっきりした。
同様の現象だった。

2009年7月11日土曜日

「ビジョン」への道筋

校正も予定より一日早く終わり、出版社に本日送付完了。
ほっと一息ついています。

昨日、某社のコンサルティングの事前打ち合わせに行ってきました。
次の会社の成長のステップに向けてビジョンの具体化計画を作るというテーマ。

例えば、「5年後に、100店舗となる」というようなビジョンがあっても、その道筋がない会社が多い。
また、道筋があったとしても、
「2年後には、30店舗」、
「3年後には、50店舗」
という数字合わせの道筋程度。

これでは、次のステップアップは難しい。

「○○後に、○○となる」ためには、
会社の根本的な戦略や仕組み自体を見直す必要がある。

ビジョンを達成するための道筋の重要なテーマは、
上記の戦略・仕組み等々をどのように変化させていくか?
別の言い方をするならば、ビジョン達成時点での会社のあり方・基礎・体質を
検討していくということが重要なテーマとなる。

この部分の道筋が検討されていない場合、数値的にビジョンが達成されたとしても
その土台がぐらぐらしてしまう。息切れして達成ということになりかねない。

逆に、上記の重要なテーマが作られた上であれば、
きちんとした基礎の上に達成されることになりゆるぎないものとなる。
まさに、会社そのものが次のステップに昇華する。

「俺は、ビジョンの数字を達成したいのではない。
 それより重要なものがある。結果としてビジョンを達成したい」

と社長が言われた言葉は、まさに上記の重要なテーマを意味していた。

まさに中小企業の「成長」の本質をついていた。

2009年7月8日水曜日

初校中

6月初旬のダイアリーでお話した、出版原稿の「初校」の最中です。

出版社の方が、墨を入れてくださっている部分を見ると、
「確かに、立体的になるわ・・」と感心したりしています。

往々にして、思い入れが強くなったり、思い込んでみたり・・・するところを
第三者の目で見てもらえることの重要さをつくづく感じています。

コンサルティングも同じ、クライアントの経営をきちんと第三者としての
視点でみるということは・・・・

ただ、その中で忘れてならないことは、
クライアントの思いをきちんと受け止めた上での
第3者の視点でなければ、ならないということ・・・・

編集者の菊池さんも、私の思いを理解してくださって、
コメントいただいており、本当に有難うございます。

10月下旬、販売開始
 8月下旬、本完成

というスケジュールに沿って、すすめています。
あと、私の方では、8月くらいに最終校正のハードルが残っています。

明日くらいには、「初校」終わらせなくっちゃ・・・・
大小あわせて、90箇所くらい修正がでそうです。

2009年7月3日金曜日

同窓会??

Mazda時代の集まり、25年以上前の職場の仲間が集まった。

入社当時、主任さんだった方の退職の慰労会という名目で・・・
四半期以上も前の職場の人間が集まるという・・・不思議な会である。

どちらかというと、厳しく、忙しい職場であった。輸出部門の1つではあったが、


Mazdaのブランドを扱うのではなく、Ford向けのOEM商品を扱う特殊な部門であった。


「目的は何か・・・、何を伝えたいのか・・・、論理的に・・・を教え込まれました」
と後輩が言っていた。
まさに、その通りこの職場で仕事の基礎を仕込まれたように思う。


くだらぬ、人間関係の問題というのや、政治的な配慮等々がなく、
しんどかったけど、厳しかったけど、一所懸命仕事に集中して打ち込めた。


こんな職場風土が、四半世紀もたっても人を集める要素となっているのかもしれない。


働きやすい職場とは、


決して労働時間の短い職場でもなく、
有給休暇の多い職場でもなく、
給料の多い職場でもない


仕事そのものに集中できる職場なのである。


2次会に行った人もいたみたいだけど、二日酔いになってないことを祈ります。
幹事さん、有難うございました。

2009年7月2日木曜日

変革するとき:リーダーが不安を取り除くこと!!

数日前に、100年に一度不況は、会社の根本的な問題を浮彫りにしている旨
そして、各社において問われている根本的な問題は何か、をきちんと認識
して乗り越えていくこ必要であるとこのダイアリーに書いた。

本日のコンサルティングにおいて、某社において、
その会社の根本的な問題を克服すべく指導した。

その克服のためには、新しい活動を行っていかねばならない。
今までと違うやり方を実行していかなければならない。

誰しも、今まで慣れ親しんできたやりかたがいい。
しかしながらそれを変えていかなければならない。
変わることが必要なこともわかっている。
でも、なかなか動かない、動けない

失敗したらどうしよう
お客様にご迷惑をかけたらどうしよう
会社に損失を与えたらどうしよう・・・

という心理が働いている。「不安」が渦巻いている。
心配なのである。
これが普通。
決して社員のレベルや、モチベーションが低いわけでもなんでもない。

ここで重要なのは、リーダーの存在。
不安・心配を取り除くことがリーダーの役割。

「思い切ってやってくれ、やって発生したクレーム・問題は一手に引き受ける。
それは、君達の問題ではなく、会社の問題。心配するな。」
そして、もし実際に発生したら、「よくやった」の一言。

このようなリーダーの覚悟がないと変わらない。

「会社がやれ・・・っていうから、開き直ってやりました。
 そしたら、心配しているようなことはありませんでした。
 なんていうことありませんでした」

と報告してくる部下が出始める。そして1人づつ広がっていく。

それまでは、
「思い切ってやれ、クレーム心配不要」
とリーダーが引っ張っていく。変革にはリーダーの覚悟が重要。