2013年9月30日月曜日

テンプレート:有機的結合は?

研修会等々の演習で、自社を分析したり、
問題を明確にしたりするテンプレート(フォーム)が用いられます。

経営をいろいろな角度から見て行くという意味には、
有効な手段であることは言うまでもありません。

そして、私自身も活用することがあります。
また、仕事がらテンプレートを活用したアウトプットを
拝見することも多くあります。

このテンプレートの活用で気になることがあります。
何種類かのテンプレートを活用する場合のケースです。

テンプレート一つ一つには、経営をどういう視点で見るか、
という意味が込められいます。

そして、各々のテンプレートには繋がりがあります。

・Aのテンプレートの分析結果を、
   Bのテンプレートではインプットにして・・・

・AとBのテンプレートをもとに、Cのテンプレートでは・・・

という感じで有機的に結合しているものなのです。

気になることというのは、

作成されたテンプレートを1枚づつ見ると、
きちんと枠の中に文言が埋められている。
そして、意味もわかる。
一所懸命取り組んだ様子が伺える。

しかしながら、テンプレートをつなげて見ようとすると
そのつながりが理解困難となってくる。
すなわち、テンプレート間の有機的結合ができていない。
というケースなのです。

テンプレートをベースに学ぶ場合、
往々にして、「記入方法を理解する」という傾向があります。

重要なのは、テンプレートがいわんとするところ、視点。
そして、テンプレート間の有機的結合なのです。

企業の組み立ても同様、
種々の機能の有機的な結合が大切です。
経営理念から経営目標、戦略へ、そして管理システムへ、
管理システム間の整合・・・と

テンプレートを活用する際には、

「視点と有機的結合」

をお忘れなく!!

2013年9月27日金曜日

「運、不運は『事』の表裏にすぎない」メルマガ第47号

本日、メルマガ「司馬遼太郎作品に学ぶ経営心得」第47号
を配信しました。

山内一豊の妻「千代」を描いた
「功名が辻」からご紹介しています。

今回の珠玉の言葉は、

「運、不運は『事』の表裏にすぎない」

です、是非ご一読を!!

2013年9月23日月曜日

「PDCA」がまわらない:「P→R」は?

「『PDCA』がまわらない」
というフレーズを中小企業で耳にします。

「PDCA」というのは、
計画を立て、実行し、振り返り、次につなげる、というサイクルです。
ビジネスの基本中の基本と言っても過言ではありません。

「悪い会社は、戦略の立案はあってもその後の検証がなく、
やりっ放しとなっている。
失敗しても失敗したで終わり、成功しても「ラッキー」で終わってしまう。
実際にうまくいっている会社とそうでない会社の違いは、
戦略立案の優劣ではない。
PDCAがよく回っている会社がよい戦略にたどり着くのである。」

大手企業の再生を手がけた元産業再生機構の冨山和彦さんは
「会社は頭から腐る」で戦略の視点からPDCAの重要性を説いています。

企業規模に係らず、PDCAを回すというのは、人間に例えれば
血液を循環させることと同じくらい重要なものなのです。

何故PDCAが回らないのか? という問いに対しては、

「C」のチェックの部分が弱く、
次の「A」アクションに結びつかない。

というのが中小企業での概ねの答えです。
その対応としてチェック機能を高めるために、
チェックの方法を決める・・・・という対策が取られます。

しかしながら、この対策では必ずしも
「PDCA」問題が解決しないということも・・・
いや、むしろ解決しないケースが多いのではないでしょうか。

その本当の原因は、

「C」のチェックの体制にあるのではなく、
「P」の計画そのものにあるのです。

「P」の計画そのものとは、
「P」計画自体が「天ぷら(いい加減)」という意味です。
形だけの「P」計画になっているという意味です。

本来、計画は目標達成のために立案されます。

その計画が目標達成を実現する計画になっているのか?
その計画が実行可能な計画になっているのか?
という評価なしで、
「P」計画として認識されている状態が
「天ぷら」、「形だけ」なのです。

目標が達成されるかどうか、わからない計画、
実行できるどうかわからない計画、
誰が、その計画を本気で追いかけるでしょか?

その逆に、
この計画通りやれば必ず目標を達成できる、
頑張ればこの計画は実行できる、
というものであれば、
計画の進捗が気になってしかたない、
目標を見比べながら、自ずとその計画を追いかけるものです。
「C」チェックを、自ずと行うものです。

「天ぷら」計画では、誰しも本気では計画を追いかけません。
計画そのものが実現性、実行性があって、計画を追いかけるものなのです。
「形だけの計画」から「中身のある計画」にすることに
その本質があるのです。

中身のある計画にするためには、

計画自体を、リーダーが実現性、実効性という視点からレヴューし、
「頑張ってこの計画を実行すれば、必ず目標を達成する」
と、自信を持って承認できる計画にする

というプロセスが必要なのです。

すなわち、「『P→R』」という、
「計画をレヴュー」すること
極めて重要なファクターになります。

「PDCA」サイクルの問題。
「C」チェック方法を論議することよりも
「P→R」のプロセスのを確認する必要があります。

2013年9月17日火曜日

企業:「人を止める業」

「企業」の「企」の文字を、「人」と「止」に分解して
企業とは「人を止める業」といわれることがあります。

「人が止まる」、すなわち人材の定着性のことです。

毎年、ボロボロと人が辞めていく、そして採用を繰り返す・・・
というのでは、何をやっているのかということになりかねません。

人材の定着性というのは、いろいろな要因が絡み合っています。
給与のレベルもあるでしょう、評価システムの問題もあるでしょう
組織風土の問題もあるでしょう、教育システムの問題も・・・

その要因の一つとして、中小企業に多いのは、
業務システムそのものがしっかりしていない
というケースです。

すなわち、仕事の進め方自体が曖昧な部分が多いというケースです。
フローチャートに書こうとすると、

・次のステップの場合分けは?
・どの工程に次の線を引けばいいのか?
・誰が、何を、判断するのか?

等々、途中で作成困難に陥る、
もしくは点線で囲んで「?」を付す部分を多く作らざるを得ない
ような状態になることです。

この状態の業務を新人にさせて、困らない人はいません。

この曖昧な業務を、悶々をしながら続けると、
おおむね3つのパターンに分かれます。

1.嫌気がさして辞めていく
2.その場の空気や雰囲気を読んでなんとなくこなす
3.この際だから、自らその業務プロセスを明確にしようとする

3.の、自らその業務プロセスを明確にしようとする人材は、
そうは簡単に巡り合いません。

巡り合えたら「宝の持ち主」として、大切にしなければなりません。
しかしながら、彼の業務プロセスを明確にするという改善活動を、
上司が「いままのままで、何とかやっているのだから・・・」
と非協力的なスタンスであれば、
彼は会社を見切って辞めることになるでしょう。

そして、会社に残るのは、
2.の空気・雰囲気を読める人材、
曖昧な部分を、曖昧なままに受け入れられる人材、
「この程度」と割り切れる人材、ということになります。

この割合が増えると、「ぬるい」、「(悪い意味での)大人の職場」
になりかねません。

1.の、嫌気がさして辞めていく人のなかには、
きっちりいい仕事をしたい、責任を持って仕事をしたい、
と考える人材もいます。

業務プロセスを明確にすることは、

空気や雰囲気を読む必要もなく、
仕事に集中できる環境を整え、
きっちり責任を持った仕事ができる
環境つくりを実現することになります。

そして、「人を止め」ることにつながり、
ひいては、生産性の向上につながるのです。

定着率の問題を考えるに、
業務プロセスの整備も重要な観点の一つです。



2013年9月6日金曜日

司馬遼太郎小説:読了



8月末に、司馬遼太郎さんの小説を
やっと読了しました。
下記がその小説リスト(「司馬遼太郎全仕事」文芸春秋から)

「峠」から始まり、
最後の小説は「戦国の女たち」でフィニシュ。
足掛け10年以上が経過していました。

メルマガ用のネタリストは、
1,519を数えました(一部重複もありますが)。


ベスト3をあげるとしたら・・・

「う〜ん、3つに絞るのは無理」

「面白かった」、「印象に残っている」というものに、★を印ました。

 <長編小説>    <短編小説>
★竜馬がゆく    ・新撰組血風録
★翔が如く     ・幕末
★坂の上の雲    ・ペルシャの幻術師
★燃えよ剣     ・馬上少年過ぐ
★功名が辻     ・おれは権現
★国取り物語    ・言い触らし団右衛門
★菜の花の沖    ★軍師二人
・項羽と劉邦    ・果心居士の幻術
★世に棲む日日   ・最後の伊賀者
★峠        ・戦国の忍び
・夏草の賦     ・一夜官女
★関ヶ原      ・戦国の女たち
・最後の将軍    ・真説 宮本武蔵
★梟の城      ・酔って候
★花神       ・王城の護衛者
・義経       ・アームストロング砲
・十一番目の志士  ・大坂侍
★播磨灘物語    ・人斬り以蔵
★箱根の坂     ・侍はこわい
・戦雲の夢     ・木曜日の夜会
・尻啖え孫市     ★故郷忘じがたく候
・新史 太閤記   ・花妖譚
・豊臣家の人々   ・花の館・鬼灯
・城塞
・城をとる話
・覇王の家
・宮本武蔵
★韃靼疾風録
・妖怪
★胡蝶の夢
・風の武士
・風神の門
・北斗の人
・花咲ける上方武士道
★俄ー浪華遊侠伝
・歳月
・空海の風景
・殉死
・大盗禅師
・ひとびとの跫音

今後は、紀行・エッセイ等々をぼちぼち読んでいこうと思います。

そして史跡探訪も「『街道をゆく』あとをゆく」ということで
続けていこうと思います。