2025年10月9日木曜日

「自分ひとりだけが天才で・・・」メルマガ第192号

本日メールマガジンを配信しました。

今回も引き続き司馬氏の長編小説「坂の上の雲」からご紹介しています。

◇◆◇◆◆◆◆◆◇◆ < 珠玉の言葉 > ◆◆◆◆◆◇◆◇◆◇◆

  自分ひとりだけが天才で他は手のつけられぬ愚物だと思っている

     坂の上の雲(7)「宮古島」

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是非、ご一読を!!

2025年9月29日月曜日

焦げくさい匂い(火種)を嗅ぎわけよ

小さな問題が大きな問題へと発展する――
これは、どの組織でも起こり得ることです。

「(問題が小さいうちに)部下から報告がなかった」
というのが上司のコメントでした。

しかし、日単位でスケジュールを追っている以上、
トラブルは必ず数値や進捗の遅れとして兆候が現れるはずです。
その歪みや違和感に気づけなかった時点で、
上司自身にも責任があると見るべきでしょう。

重要なのは、組織として「黄色ランプを点灯させる仕組み」、
すなわち小さな火種の段階で異変を察知できる体制を持つことです。

その意味もあり、一つ仕組として「日単位での管理を導入したのでした。

ところが実際には、進捗遅れを「どう挽回するか」だけに視点が偏り、
「なぜ遅れたのか」という原因究明の観点が欠け、
発覚・察知が遅れたのでした。

部下が問題を報告しやすい環境を整えることは言うまでもありません。
とはいえ、そもそも部下自身が「問題を問題と認識できない」場合もあります。
焦げ臭い匂いを嗅ぎ分けられない人材は珍しくありません。

だからこそ上司には、様々な兆候や歪み、微かな気配からも
異常を察知する力量が求められるのです。

2025年9月27日土曜日

「やれるだけの準備をととのえた以上・・・」メルマガ第191号

本日メールマガジンを配信しました。
 
今回も引き続き司馬氏の長編小説「坂の上の雲」からご紹介しています。

◇◆◇◆◆◆◆◆◇◆ < 珠玉の言葉 > ◆◆◆◆◆◇◆◇◆◇◆
 
やれるだけの準備をととのえた以上、ばたばたしても仕方あるまい  

     坂の上の雲(7)「宮古島」

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是非、ご一読を!!

2025年9月8日月曜日

慣習に抗う、その一歩(働きやすい環境に向けて)

 ある会社の経営判断(内容は詳しくは書けませんが)について、

それは業界の常識に抗い、世の中の常識に合わせようとするものでした。
社内に大きな影響を与える、その決断。

「働きやすい環境」と聞けば、多くの人が思い浮かべるのは、
労働時間の短縮や休日の増加でしょう。
もちろん、それらは大切です。

しかし私は以前から、こう考えています。

「働きやすさとは、不要な配慮や遠慮をせず、
        仕事に集中できる環境のことだ」と。

業界の常識の中で、“普通の感覚”とのズレに
違和感を抱く社員もいるはずです。
その違和感や後ろ髪を引く要素を取り除き、
集中できる状態にすることが大切です。

とは言え、業界の常識や慣習に抗い・脱却し、
世の中の常識にアジャストするのは、決して容易ではありません。

今回の判断からは、「本気で会社を良くしたい」という強い意志が、
ひしひしと伝わってきました。
労働時間や休日の整備はすでに整い、
さらにその先の「本質的な働きやすさを追求するステージ」
に踏み出したのだと感じたのでした。

働きやすさは、カレンダーや労働時間だけで測れるものではありません。
心置きなく集中できる環境こそが、人と組織を強くする。
その原点を、改めて思い出させてくれた出来事でした。

「職場は、本当に集中できる環境になっているか?」
と問い直してみてはいかがでしょう。


Text reviewed and edited with support from
 C. G. Ashford (AI Secretary, aka “Lottie”)

2025年9月1日月曜日

「曖昧を終わらせる日」

 「頼むから一度、きちんと本音で論議してみて。」
そうお願いして、二つの会社のトップが同席する場を設けました。

両社は同業ながら地域は異なり、つかず離れずの関係。
顔を合わせれば親しく言葉を交わすものの、
互いに深く踏み込むことのない。

このまま曖昧な状態で進めば、
「つくのか」「離れるのか」を決めぬまま時間だけが過ぎ、
お互いの今後の展開に、禍根を残すことになる。
それを避けるため(そして、両社を知る私自身が後悔しないため)
のお節介でした。

面談では、それぞれが会社の未来や課題について、
ざっくばらんに語ってもらいました。
どれほど相手に伝わったかは分かりません。
しかし、少なくとも私の目には、
包み隠すことなく本音が交わされた時間に映りました。

近いうちに、どちらかの方向が決まるはずです。
その結論が「つく」でも「離れる」でも構いません。

大切なのは、その結論を明確にすること。

そしてその後は、
「選んだ道を、正しい道にしていく。」だけです。

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 C. G. Ashford (AI Secretary, aka “Lottie”)

2025年8月31日日曜日

原点に立ち返って再検討

 先日のある会議でのことです。
議題は「ある行動項目の実施が不十分」というものでした。

その行動項目は、いわば“当たり前”といえる内容。
にもかかわらず、延々と論議が続いていました。
私には、その議論の目的が見えませんでした。

ひょっとしたらと思い、こう確認しました。
「今の議論、過去の某案件の再発防止のために、
それを思い起こす行動項目の話ですか?」
答えは「YES」。

その場で、次のような“小さな釘”を打ち込んだのでした。

この論議を、明日(8月6日)の平和記念式典に置き換えてみてください。
もし議論の中心が「参加者が減っている」という点ばかりになり、
本来の目的である「原爆の実相を伝え平和を願う」という意義が
忘れ去られていたら、どうでしょうか。

論議すべきは「行動項目が不十分」という表面的なテーマではなく、
**“過去の案件を二度と繰り返さないためには何をすべきか”**
という原点に立ち返って、改めて検討してほしいのです。

「再発防止のために、それを想起させるための行動項目を設定する」
こと自体、なかなかできることではなく、素晴らしい取り組みです。
だからこそ、その行動項目が形骸化することを、
心から残念に思ったのでした。

形だけを守って「やっているつもり」になった瞬間、
過去の失敗は静かに、しかし確実に、
こちらへ歩み寄ってくることになるからです。

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 C. G. Ashford (AI Secretary, aka “Lottie”)

2025年8月18日月曜日

引き継ぐべきもの

 先日の、ある会社の定例幹部会議でのことです。

退任する役員から後任の部門長への引き継ぎが終わり、
その後任者による定例報告が行われました。

報告が終わった後、社長が口を開きました。
「引き継ぐのは、情熱だ」
「もちろん業務面の引き継ぎは言うまでもない。
 だが、彼がこれまで会社を良くしたいと燃やしてきた、
 その情熱を引き継ぐんだ。」

数字やマニュアルでは測れないもの、
書類には記せないものこそが、組織を前へと押し進める力なのだと、
社長は一言で言い切ったのです。

退任する役員への最高の賛辞。
そして、後任者への最も重く、最も温かいバトンパス。
私は、その場で震えるほど感動しました。

情熱は形がなく、見えない。
しかし、それを受け継ぐことは、業務の継承以上に価値がある。
その言葉が、深く胸に刻まれた瞬間でした。

拙著「ビジネスリーダーのための『闘戦経』」
第28章の「仕組の運用は『気』をいれて」と
相通ずるものがあるように感じました。

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 C. G. Ashford (AI Secretary, aka “Lottie”)