2025年3月27日木曜日

「結果+プロセス・オーライ」

先日、ある案件できちんと検討せずに思い付きで行動した結果、
「『 結果オーライ』だから良しとしよう、ワハハ! 」
と終わった場面がありました。

確かに、短時間で所定の成果を得ることができ、検討の手間も省けた。
しかしながら・・・・・

私にはどうしてもスッキリしないものでした。

思い付きで得た「結果良し」は、
再現性が乏しく、次も同じ成果をあげられるとは限りません。
また、組織の醍醐味である「衆知を集めて練り上げる」
という「組織力」も発揮でません。

「きちんとプロセスを踏んで結果を出す」
という考えを組織文化として根付かせていくことは、
組織づくりには欠かせないテーマの一つです。

結果が出なかった時、
行き当たりばったりでは、次も「思い付き」に頼らざるを得ません。
しかし、きちんとプロセスを踏んでいれば、
その過程を検証し改善することで、
次の成功確率を着実に高めていくことができます。

拙著の『闘戦経』の解説書でも、
第8章の趣旨を「結果善し プロセスも善し」とし、
「結果よし」は言うに及ばす(必要条件)、
それに至るプロセスも重要なファクター(十分条件)である
と著しています。

ある辞書サイトによれば、
「オーライ」は英語の “all right” に由来し、
戦後の高度経済成長期の結果が重要視される空気のなかで、
日本社会でよく使われるようになった、
と補足説明されていました。

まさに『 結果オーライ』は「昭和」の象徴的な言葉のようです。
しかし、時代は「令和」。
今は『結果+プロセス・オーライ』です。

というよりも、『結果+プロセス・オーライ』は、
今から9百年も前に記された『闘戦経』の時代からの本質で、
「昭和」という時代が、本質から少し脱線していたのかもしれません。

2025年3月24日月曜日

「横のバトンタッチ」よ!!

先日、ある社長が「なんでこんなことが発生するの?何が原因なの?」と。

その「こんなこと」というのは、
支払金額が、前月の見込みより今月になって急に5割も増えてしまった、
ということでした。
急遽借入を起こし対応したものの、納得いかない社長の表情。

調べてみると、原因は「部門間の連携」にありました。

成長傾向にある組織は、
人が増え、組織が大きくなり、機能分化していくようになります。
その際に強く意識しておかなければならないのは
「縦」だけでなく「横」の連携です。
成長過程の企業には、避けて通れない重要課題です。

機会のある都度、社員さんに
「『縦のバトンタッチ』だけでなく、『横のバトンタッチ』も意識すること」
と、お話してしてきました。
しかしながら、今回発生した現象は『横のバトンタッチ』が
円滑にできていないことが原因でした。

恒久的な対策は講じていくものの、
社長がなにげなくポツリ漏らされた一言が、印象に残りました。

「規模が小さくて、自分一人で営業・製造・経理・人事も見れてた時は、
 こんなことは起きなかったんだけどな・・・」

これこそ本質です。

組織は成長すればするほど、役割は分かれていきます。
だからこそ、「横」の連携をしっかりと意識して、
仕組みとして機能させていかなければいけません。

皆さんの会社でも、こんな課題に直面していませんか?
成長の壁にぶつかったときこそ、
横のつながりを見直すチャンスです。

2025年3月20日木曜日

「敗けいくさになったばあいは・・・」メルマガ第185号

本日、メールマガジン「司馬遼太郎作品に学ぶ経営心得」を配信しました。

NHK「坂の上の雲」の再放送終了しましたが、
今回も司馬氏の長編小説「坂の上の雲」からご紹介しています。

◇◆◇◆◆◆◆◆◇◆ < 珠玉の言葉 > ◆◆◆◆◆◇◆◇◆◇◆

「敗けいくさになったばあいは、
     自分が陣頭にすすみ出て、じかに指揮をとります」

   「勝っているときは、私は必要がない」

     坂の上の雲(4)「沙河」

◆◆◆◆◆◇◆・◆◆◆◆◆◇◆・◆◆◆◆◆◇◆・◆◆◆◆◆◇◆

是非、ご一読を!!

2025年2月27日木曜日

『パクリ』 大歓迎

 「彼は、変わりましたね・・・」
ある顧問先の幹部社員について、
関係する会社の人が私に話してくれました。

私自身も、月に何度か会議でその幹部社員と顔を合わせる機会があり、
彼の変化を感じていました。

関係会社の人が言うには
「視座(?)、視野(?)が変わったと、ご本人おっしゃっていました」
とのこと。

「そんなこと言ってた?」と私は確認したのでした。

というのも、1年半前に、その顧問先の経営幹部に対して
「視野を広げ、視座を高くし、視点を多く持つことが大切」
という趣旨で「視野・視座・視点」の講義をしたことがありました。
その講義に、社長一人が感銘を受けてくれていたものの、
その他の幹部らの反応は、正直なところ
今ひとつだったと記憶していたからです。

そんな中、あの講義の内容を覚えていて、
自分のものとして受け止め、実践してくれていたことに驚きました。

実は、このようなことは、今まで何度もありました。
私が話した内容を(パクッて)使っている場面に遭遇することが。

この種の「パクリ」は大歓迎です。
どんどんパクッりながら、自分のものにしてください。
むしろ、パクられることに、私は遣り甲斐と喜びを感じています。

2025年2月22日土曜日

推薦図書「現場力を鍛える」

某社の経営顧問をともに務める方から紹介され、
早速アマゾンにで注文した「現場を鍛える」(遠藤功 著)。

本の帯の「20年間読み継がれる」「36刷&17万部のロングセラー」
というコピーのとおり、まさに良書でした。

















これまで読んだきた本から自分の肥やしにしてきたところ、
また拙著で訴えてきたこと等と重なる部分が多く、
共感しながら一気に読み終えました。

「新たなビジョンや戦略を打ち出しても
 実行されず結果を出せない企業は山ほどある。」

「ビジョンや戦略自体に「実行性」は担保されていない。
 戦略を「正しくやりきる」主役はあくまで現場。」

まさにそのとおり。
リーダーとして決して忘れてはならない鉄則です。

特に、現場の「タコツボ化」と称して説明されている部分は、
非常に興味深いものでした。

お時間のある時に、是非ご一読を!!

「後工程はお客様」という言葉は知っていたものの、
「前工程に物申す」という表現は新鮮で、手帳に書き留めたのでした。

2025年2月9日日曜日

「まるっきりの現実主義者は二流以下・・・」メルマガ第184号

本日メールマガジンを配信しました。 

今回も司馬氏の長編小説「坂の上の雲」からご紹介しています。

◇◆◇◆◆◆◆◆◇◆ < 珠玉の言葉 > ◆◆◆◆◆◇◆◇◆◇◆

   まるっきりの現実主義者は二流以下の政治家にすぎず、・・・
 政治家がどのような理想をもっているかにおいて
   人物の品質がきまるのだが、
 しかし政治が現実からはなれて存在しない以上、
   理想の比重が重すぎる人物は、
 結局は、単なる願望者か、詩人か、
   それとも現実否定のヒステリー的な狂躁者になりがちである。
    
     坂の上の雲(3)「外交」

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是非、ご一読を!!

2025年1月26日日曜日

後継経営者へのプレゼント

先代(親)から次代(子)への事業承継は、
中小企業に切っても切り離せないもの。

これまで、その承継に関わるなか、
感動的で忘れることのできない場面がいくつかありました。

先日、またそのような場面に立ち会う機会がありました。

そこでの大切な内容を、
後継経営者への「リマインダー(常に心に留めておくもの)」として、
プレゼントを用意しました。
台座の裏にその日付を記載したフィギュアです。



かかったコストは1,130円(フィギュア代430円、送料700円)ですが、
きっと彼はこのフィギュアの価値を数億円(あるいは数十億円)にしてくれる
と信じています。

数日後に訪問すると、デスクの上に飾ってくれていました。


こんな場面に立ち会わさせていただいたことに感佩です。