年末、同じマンションの住民とバンドを組むことになりました。
誰かと音を合わせるのは、中学生以来――実に半世紀ぶりです。
練習することになったのは4曲。
その一つは、歌えるほどによく知っている曲。
もう一つは、いわゆる「穴歌」でメロディーをなぞれる程度の曲。
残りの2曲は、名前すら知らない、
もちろん一度も耳にしたことのない曲でした。
ただ、その4曲すべて、ギターで弾いたことはありませんでした。
次の音合わせまでに、メンバーに迷惑をかけるわけにはいかない。
そう思い、特に“聴いたことのない曲”から、
腰を据えて取り組むことにしました。
まずは、何度も繰り返し聴く。
どんな構成で、どこに山がある曲なのかを身体に入れる。
――目標を明確にする。
次に、「これは難しそうだ」と感じる箇所を洗い出す。
――課題を明確にする。
そして、うまく弾けない部分だけを切り出し、何度も何度も練習する。
指が覚えるまで、音が安定するまで。
――自分の能力を高めていく。
そんな準備をして臨んだ、先日の音合わせ。
すると、家での練習では想定していなかった課題が、
次々と浮かび上がってきました。
「できる」と思い込み、練習を軽視していた部分が、
実際に演奏してみると、あやふやで自信をもって鳴らせない。
一人で完結していた世界が、
他者と交わった瞬間に、初めて見える課題でした。
そのとき、ふと思ったのです。
「あれ? これ、経営と同じだ」
頭の中で考え、仮説を立て、準備する。
しかし、実際に顧客にぶつけてみると、想定外の反応が返ってくる。
そこで初めて、本当の課題が見える。
そして、また修正し、鍛え直す。
これまで一人でポロポロとギターを流し弾きしてきました。
気楽で、誰にも迷惑をかけず、それなりに満足できる時間。
ただ、振り返ってみると、一人で弾いている限り、
「今の自分の力量の範囲」に収まっていたことに気づきました。
つまり、安心はある。
しかし、あまり上達はしていなかったのです。
私にとって、このバンド活動は、
「安心できる範囲をあえて出ることでしか成長しない」という
経営の原理原則を体感的に思い出させてくれる時間であり、
同時に、「目標の明確化 → 課題の明確化 → 成長を通じた課題克服」
という、経営の基本ステップを再確認する場なのかもしれません。
そう思いながら、
曲ごとの課題リストを横に置き、今日もギターを手に取っています。
Text reviewed and edited with support from
C. G. Ashford (AI Secretary, aka “Lottie”)