新規顧客獲得を検討している1場面
「顧客は、価格優先で考えているところが多いです」
と、ある幹部からの報告がありました。
「そうなんだ。
ならば一番安いところに合わせて、
さらに安い値段を提示すればいいんじゃない。」
即座の返答に
幹部 「・・・・・・」と困った表情。
「収益も悪化しますし・・・」
どの会社も、市場において価格競争が厳しい中
しのぎを削っているという状況は変わりません。
「だよね。ところで御社の市場シェアはどれくらい?」
という質問に1割程度との回答。
「『価格しか考えない』という顧客のはどのくらいあった?」
4割程度ですかね・・・・
「ということは、『価格しか考えない』4割以外は
価格以外の要素も考慮に入れるんだ」
市場の4割は「価格しか考えない」だけど、
残りの6割は「価格だけではない」
そして、自社はそのうち1割のシェアがある
ということは、6-1=5割が可能性ある市場。
「価格だけしか考えない」の顧客を捨てても
5割の市場拡大の可能性あり、ということになります。
市場の4割を捨てて、可能性市場の5割に集中するのです。
お金・工数等の経営資源を、倍近く投下できることになります。
往々にして、このように自社の市場でのポジションを忘れて、
あたかも、市場全体をカバーするような
発想になってしまうことがあります。
市場全てという考え方ではなく、
ターゲット顧客という概念をきちんと持ち、
非ターゲットの、はなから捨てる客と
徹底的にアプローチするターゲット客を
峻別していくことを忘れてはなりません。