稼働日数の多い月も、稼働日数の少ない月も、同じ量の生産量・・・
生産量が多くても、少なくても終了時間は同じ・・・
「生産能力はどれくらいですか?」という質問に対して、
「頑張れば、〇〇位はできます」という回答。
生産能力が把握できていないという状態です。
中小企業ではよくあるパターンです。
特に、人手のウエイトが高い生産の場合、この傾向が強くなります。
大手は資本集約(機械設備のウエイトが高い)、
中小企業は労働集約(人手のウエイトが高い)、という傾向があるため、
中小企業に多くなっているのでしょう。
いずれにしても、この状態では、生産効率を上げようがありません。
人のやる気は、生産に影響を及ぼ重要なファクターですが、
人の『やる気だけ』、『気分次第』の生産現場ということになります。
「商品1つ製造するにかかる目安時間」
という概念を導入するだけで変わってきます。
商品1つ製造するのに、1時間かかるならば、
稼働日の少ない2月は、28日×8時間÷1時間/個=224個
稼働日の多い3月は、 31日×8時間÷1時間/個=248個
という按配に計算することができ、
概ねの生産能力を把握することができます。
(上記は、休日を考慮していませんが、
「休み無しで働け」と言っているわけではありませんので・・)
ということで、アドバイスしたクライアントから報告がありました。
「計算してみたら、残念な結果となりました。
来月の目標生産量が、達成できないことがわかりました。」
というものでした。
「そりゃ~、いかんね。
でも、いつもは月が終わって 『できませんでした』って言ってるよね。
それが、今、この時点でわかってるんだよ。
『残念な結果』ではなくて、『現状がきちんと把握できた』だよね。
いまから、どうするか、どう対策を打つか考えればいいんだから・・・」
と、生産改善の基礎ができ、
一歩前向きに進み始めたことを、認識してもらったのでした。