定期・臨時の人事異動、そして入退社による人の入れ替わり・・・と業務担当の変更は、
企業にとって日常茶飯事のことです。
この業務変更につきものなのが、「引き継ぎ」。
この「引き継ぎ」のレベルが会社によって大きく異なっているのです。
得意先に一巡りし後任を紹介して、あとは任せた・・・というものもあれば、
顧客の取引履歴、特徴等々が書かれた顧客カードをもとに、
きちんと時間をとって、カードに書ききれないニュアンスを伝え・・・
というレベルまで様々です。
基本的に、長く取引するほど、顧客の状況についての会社には
情報が蓄積されていくものです。
そしてその蓄積が、積み重なることにより財産となり、
競合他社の誘惑すら退ける、なくてはならない存在となる源泉の一つとなるものなのです。
しかしながら、「引き継ぎ」如何によっては、上記のように財産さらに蓄えていく会社もあれば、
その財産を無にしてしまう会社も、残念ながら存在しています。
きちんと「引き継ぎ」を行う会社は、前任者の情報の上に、
更に、多くの情報を蓄積していき、1から2へ、そして2から3へと
財産を増やしていきます
一方、この財産自体の価値を理解していず、
いい加減な「引き継ぎ」を行っている場合、
担当が替わることにより、0から再スタートということになってしまいます。
そして後任がやっと顧客のことがわかりかけた頃に、また異動ということになり、
また0に戻ってしまうことになりかねません。
0と1の間を行ったり来たりと、財産の形成が行えないまま・・・
もし、0と1の間を行き来しているような状態であれば、
いくら永年取引が行われていたとしても、
顧客にとっては、新参者の業者と何ら変わることがありません。
そして、その新参者の業者が、少し価格を安くするだけで、
今までの取引を取られかねません。
なかには、担当者の変更毎に、その蓄積が劣化していくという
ケースさえ存在します。
長く付き合えばあるほど、味がでてくるか?
それとも、劣化していくのか?
年数が経てばたつほど、開きは大きくなっていきます。
その差は、「引継ぎ」というありふれた業務のとらえ方によるもの大です。
あなたの会社の「引継ぎは」、財産形成を行うレベルのものか、
どうかを今一度、確認してみてはいかがでしょうか。