「『PDCA』がまわらない」
というフレーズを中小企業で耳にします。
「PDCA」というのは、
計画を立て、実行し、振り返り、次につなげる、というサイクルです。
ビジネスの基本中の基本と言っても過言ではありません。
「悪い会社は、戦略の立案はあってもその後の検証がなく、
やりっ放しとなっている。
失敗しても失敗したで終わり、成功しても「ラッキー」で終わってしまう。
実際にうまくいっている会社とそうでない会社の違いは、
戦略立案の優劣ではない。
PDCAがよく回っている会社がよい戦略にたどり着くのである。」
大手企業の再生を手がけた元産業再生機構の冨山和彦さんは
「会社は頭から腐る」で戦略の視点からPDCAの重要性を説いています。
企業規模に係らず、PDCAを回すというのは、人間に例えれば
血液を循環させることと同じくらい重要なものなのです。
何故PDCAが回らないのか? という問いに対しては、
「C」のチェックの部分が弱く、
次の「A」アクションに結びつかない。
というのが中小企業での概ねの答えです。
その対応としてチェック機能を高めるために、
チェックの方法を決める・・・・という対策が取られます。
しかしながら、この対策では必ずしも
「PDCA」問題が解決しないということも・・・
いや、むしろ解決しないケースが多いのではないでしょうか。
その本当の原因は、
「C」のチェックの体制にあるのではなく、
「P」の計画そのものにあるのです。
「P」の計画そのものとは、
「P」計画自体が「天ぷら(いい加減)」という意味です。
形だけの「P」計画になっているという意味です。
本来、計画は目標達成のために立案されます。
その計画が目標達成を実現する計画になっているのか?
その計画が実行可能な計画になっているのか?
という評価なしで、
「P」計画として認識されている状態が
「天ぷら」、「形だけ」なのです。
目標が達成されるかどうか、わからない計画、
実行できるどうかわからない計画、
誰が、その計画を本気で追いかけるでしょか?
その逆に、
この計画通りやれば必ず目標を達成できる、
頑張ればこの計画は実行できる、
というものであれば、
計画の進捗が気になってしかたない、
目標を見比べながら、自ずとその計画を追いかけるものです。
「C」チェックを、自ずと行うものです。
「天ぷら」計画では、誰しも本気では計画を追いかけません。
計画そのものが実現性、実行性があって、計画を追いかけるものなのです。
「形だけの計画」から「中身のある計画」にすることに
その本質があるのです。
中身のある計画にするためには、
計画自体を、リーダーが実現性、実効性という視点からレヴューし、
「頑張ってこの計画を実行すれば、必ず目標を達成する」
と、自信を持って承認できる計画にする
というプロセスが必要なのです。
すなわち、「『P→R』」という、
「計画をレヴュー」することが
極めて重要なファクターになります。
「PDCA」サイクルの問題。
「C」チェック方法を論議することよりも
「P→R」のプロセスのを確認する必要があります。