2015年11月16日月曜日

「誇り」か? 「後悔」か?

横浜のマンションの杭打データ改ざんを引き金に
全国にその問題が広がりつつあります。

つい最近、中小企業建設会社の社長から聞いた話を、
かいつまんで、ご紹介します。

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ある公共工事の最終検査段階で、
図面どおり施工されていないことが判明した。

工期終了まで、時間があまり残されていない。
手直しをしようとすれば、工期に間に合わない。
工期に間に合わなければ、指名停止処分を受けることになる。
経営へのインパクトは、はかり知れない。

施工をミスを隠蔽することもできる。
自分達の心の中に秘めていれば、
発注先にも、自社の経営にも波風を立たせなくてすむ。
その場しのぎで抜け切ろう、という囁く自分もいる。

ふと、思った。
後に、現場を通るたびに呼び起こされるものはなんだろうか?
「誇り」ではなく、「後悔」ではないだろうか。
むしろ、現場に目を背けて通り過ぎようとするのではないだろうかと。

そして、処分覚悟で手直しすることを決断した。

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という話でした。

大手の建設会社にしてみれば、
「ちっぽけな工事で、影響が小さいからできることだ」
と鼻で笑われるかもしれません。

小さいからできるのではありません。
性根がしっかりしているからできるのです。
仕事に「誇り」を持っているからできるのです。

同じ建設関係でも、
データを改ざんするところもあれば、
こんなスタンスで仕事に取り組んでいる会社もあるのです。

プライド・誇りを持って仕事をするという覚悟。
素晴らしい話を聞かせていただきました。