先日、A部門で顧客クレームが発生しました。
その顧客に提出した対策書の内容について確認した時のことです。
A部門の部門長へ「対策はキチンとやってる?」と確認したところ、
「はい!」と元気のいい回答。
さらに
「手順書には、その対策を反映して修正した?」
「その修正したことを、部内全員にキチンと共有した?」
「その実施が確実にされていることを確認した?」
と続けて質問していくと、無言の回答。
次に、B部門の部門長へ
「発生したのはA部門だけど、
同じ状況にあるB部門でも今回の対策は実行している?」
と聞いてみると、「えっ?」という反応。
彼にとっては意表を突いた質問という感じでした。
発生したクレームの対策を内容を
A部門の関係者に口頭で伝えたという程度で
終わっている状態です。
これでは、
B部門でも同様な問題が発生してもおかしくありません。
また、時が経過してA部門のメンバーが替わった時には、
A部門でもまた同じことを繰り返してしまう可能性があります。
組織としては、何ら学習していないことになります。
失敗して痛い思いや辛い思いをした当の本人は、
キチンと学習して同じことを繰り返すことはないでしょう。
しかしながら、
(個人の学習能力合計 ≠ 組織の学習能力)
です。
学習能力のある人が集まって組織になっても、
必ずしも「組織としての学習能力」が備わっている
とは言えません。
そのためには「組織としての学習能力を高める」
ことを意識的に行うことが必要です。
1)失敗の対策の横展開をきちんと行う。
2)その対策が引き継がれるよう形式知(書面等)化する
3)それが確実に実行されるよう定期的にその手順等を喚起する
ことです。
顧客クレームを、その場しのぎで終わらせるのか?
そこから成長のための財産を見つけ、進歩していくのか?
上記の部分の徹底如何です。