2025年10月29日水曜日

「AIが描く地図、人が歩む道」

顧問先に「この部分、AIを活用してみたら?」と
提案することがよくあります。

実際に試してみると、意図通りの回答が得られないケースもありますが、
一方で「ここまでできるのか」と期待以上のアウトプットに
驚くこともあります。

AIの進化は確実に、私たちの仕事のあり方を変えつつあります。

問題解決のプロセスを整理すると、一般的に次の四段階に分けられます。
①問題・課題の設定(何をしたいか?何を解決したいか?)
②情報の収集
③解決案の立案
④実行

このうちAIは、①〜③の領域において驚くほどの力を発揮します。
たとえば、膨大なデータを瞬時に整理し、関連する情報を抽出する。
また、過去の成功・失敗事例をもとに、いくつかの代替案を提示する。
さらには、異なる視点から「潜在的な課題」を
浮かび上がらせることもできます。

しかし――。
AIが提案できるのは、あくまで「選択肢」までです。

どの課題に焦点を当てるか、どの案を採用するか、
そしてどの順番で実行するか。
その“意思決定”は、依然として人間の役割です。
また、AIは課題設定を支援することはできても、
「何を目的とするか」を自ら決めることはできません。

さらに、AIがいかに高度に進化しても、
④の「実行」においては本質的な限界があります。
実行とは、他者と協働し、抵抗を乗り越え、現実を動かす行為です。
ロボティクスや自動化が進んでも、目的を理解し、
に責任を負う存在――その中心に立つのは常に人間です。

そしてもう一つ忘れてはならないのが、
「AIに問いを投げかける」こと自体、
人の能動的な働きかけによって初めて成り立つという点です。
AIは自ら問題意識を持つことができません。
つまり、AIの能力を引き出せるかどうかは、
私たち人間の問いの質にかかっているのです。

AIが描くのは“地図”です。
しかし、その地図のどの道を選び、どこへ向かって歩き出すか――
それを決め、実際に足を進めるのは人間。
だからこそ、AI時代においてこそ問われるのは
「問いを立てる力」と「行動する力」。

この二つの力が、
人間を“考える存在”から“動かす存在”へと
押し上げるのではないでしょうか。

AIをどう使うか人の“知性”が試めされる時代
という感じです。

Text reviewed and edited with support from
 C. G. Ashford (AI Secretary, aka “Lottie”)