2025年12月13日土曜日

「Marketing myopia」だ!!

昨日の日経新聞の一面に、ふと目を引く見出しがありました。
「ディズニー、オープンAIと提携」。

これまでディズニーは、自社キャラクターの使用に対して
“不許可”の立場を取ってきました。
そのディズニーが方針を180度転換し、
資本提携という形でAIと手を組み、
キャラクター活用させる決断をしたというのです。


このニュースを目にしたとき、
私の頭に浮かんだのは、ハーバード・ビジネス・スクールの
セオドア・レビット教授が1960年に発表した
**「マーケティング近視眼(Marketing Myopia)」**という論文でした。

レビット博士はこの論文の中で、
当時の映画産業が辿った失敗を例に挙げています。
テレビの出現に対し、映画業界はそれを敵対視し、
対抗や排除に力を注ぎました。
その結果、映画産業は長期的な視点を失い、衰退の道を歩んでいったのです。

レビット博士は、その本質を次のように指摘しています。

「映画業界は、自らをエンターテインメント産業ではなく、
映画製作会社だと捉えてしまった」

顧客が求めていたのは、「映画」という商品そのものではなく、
その商品が提供するベネフィットを購入しているのだ、と。

自社の都合や既存の枠組みで事業を定義するのではなく、
顧客が何を価値として受け取っているのかを問い続ける姿勢に
本物の顧客志向があります。

この論文が発表されてから、すでに60年以上が経ちました。
しかしAIという新しい技術の登場を前に、
当時とよく似た局面に立たされているように感じます。

AIを脅威として遠ざけるのか。
それとも、自社の価値を拡張する手段として受け入れるのか。

ディズニーの今回の決断は、
少なくともレビット博士の指南を正しく理解した上での選択に見えます。
自分たちは「キャラクターを管理する会社」ではなく、
「感動と物語を届けるエンターテインメント企業」である(多分?)
その自己定義が、今回の判断の根底にあるのでしょう。

変化をネガティブに捉えるか、ポジティブに捉えるか。
近視眼的に守りに入るか、将来を見据えて舵を切るか。

それは、今の時代における
経営者の最も重要な役割だと言えるのかもしれません。

あなたの会社は、商品を通して顧客に提供している価値は何か?
と自問してみるいい機会かもしれません。

Text reviewed and edited with support from
 C. G. Ashford (AI Secretary, aka “Lottie”)