2023年6月30日金曜日

組織づくりとは ルールを守ること

「決めたことはキチンと守れ、ルールに沿って仕事をしろ」

との幹部会議での社長の発言に、
私は大きくうなずきながら聞いていました。

会議後、社長と二人での面談。

「社長の発言には、吹き出しそうになりましたよ!!
 そもそも社長自身、ルールやきまりが大嫌いなタイプでしたよね・・」

「そうなんよ、基本的には大嫌い。
 でも、臼杵さんが『仕組み』、『仕組み』って。
 組織らしくしようと思ったら仕組みで運営するしかない。
 そのためには、その運営のルールを明確にし、
 きちんと守ることよね・・・」

と大笑いしながら話したのでした。

この数年、仕組みづくりが広がり組織らしくなり、
それとともに業績も向上してきた会社。

同じ時期に、他の顧問先の社長からも同様の発言
を聞いたことが重なり驚いたのでした。

組織づくりとは、
仕組み(どういう手順で業務し、誰が決済・判断をするか)を明確にし、
その仕組みを運営することに他なりません。
決して、組織図に人をあてがうことではありません。

職人気質の高い業種では、
業務ルールを守らせるのは骨の折れるテーマです。

「1万回だめでへとへとになっても、
 10,001回目は、何か変わるかもしれない・・」

と、根負けせずにやるしかありませんね。

2023年6月23日金曜日

号令はアクセルの部分だけ

組織運営では、ビジョン・方針・目標等の号令を多く活用しています。

号令は、”Simple is the best” を旨とせよです。

「●●に向かい全速力で前進!!」だけで十分です。

それが、
「●●に向かい全速力で、適宜ブレーキをかけて進め」
というように、号令に注意や配慮事項を付け加えたり、
相反するような概念を併記しているものがあります。

間違ってはいないし、丁寧でもあります。
しかしながら、複雑で迫力不足です。

がむしゃらに前進することよりも、
ブレーキの場所が気にかかり、
前進のスピードは大きく落ちてしまいます。

号令の「全速力」というアクセル部分が、
「適宜ブレーキ」に相殺され、
号令にはスピードの概念がなくなってしまいます。
「●●に向かえばいい」と、方向だけしか伝わりません。

そもそも号令は、ある行動を強化・促進をするためのものです。
いわばアクセルの役目です。
そこに相反する概念のブレーキも併記したら、
迷わせるだけ、混乱させるだけです。
結果的に、何も伝えていないと同じになります。

号令はアクセルの部分だけ。

「全速力で前進」する部隊に、
危険な場所で「少しスピードを落とせ」
「●●を気をつけて進め」と注意を促し、
ブレーキをかけるのが管理者の役目です。

ブレーキの場所まで部下に判断させようとするのは、
すべてを部下に押し付けているのと同じです。
管理者は不要。管理者の存在意義が疑われます。

号令はアクセル部分だけ、
適宜ブレーキをかけるのは管理者の役目なのです。

2023年6月16日金曜日

工程の効率よりも・・・

「その提案、順番が違う。 後回し!!」

と、ある幹部からの提案を保留したことがありました。
新商品の製造工程の効率化についての提案でした。

提案自体に問題があったわけではなく、
その実施のタイミングに問題がありました。
新商品自体のリリース時期に目途が立っていない状況の
なかでの提案だったからです。

商品の完成の後に、工程の効率化を行う、
というのが基本的順序です。

新商品をリリースして初めて、顧客の評価を得ることができます。
顧客の評価次第では、商品に変更を加えることになるかもしれません。
効率化した工程が意味のないものとなってしまうかもしれません。

工程を組み上げる過程でのいろいろな気づきを
改善しようとしてくれた提案でした。

しかしながら今は、新商品のリリース時期の目途をつけること。
少々非効率な製造工程でも、早くリリースすること。
こっちが、先です。

「家臣をほとんど無条件で信用するという美徳があった」メルマガ第164号 

本日メールマガジンを配信しました。

今回も前回に引き続き徳川家康を描いた
「覇王の家」からご紹介しています。

◇◆◇◆◆◆◆◆◇◆ < 珠玉の言葉 > ◆◆◆◆◆◇◆◇◆◇◆
    
  家臣をほとんど無条件で信用するという美徳があった 
          
     覇王の家(下)不覚人&石川数正

◆◆◆◆◆◇◆・◆◆◆◆◆◇◆・◆◆◆◆◆◇◆・◆◆◆◆◆◇◆

是非、ご一読を!!

2023年6月9日金曜日

「(競合も)同じようなことをやっている」

 「競合先のHP見たんだけど、同じようなことをやっている」
と、自社の戦略について不安げな某社長の一言。

「Don’t worry it !!」と,下記をお話しました。

1)だいたい皆、考えることは同じ

  同業種であれば経営環境や競合状況について、
  同じような認識をして、当然。
  そしてそこからの選択肢も似てくるのが、普通。
  「同じ状況にある者は、同じようなことを考える」もの。
  改めて驚くことも、不安になることもない。

2)考えても実行することは難しい

  ある調査で「戦略の失敗の7割はその実行にある」
  すなわち、戦略の失敗は、戦略自体の良し悪しではなく、
  戦略が実行できなかったことにある、と報告されている。

3)「同じようなこと」と「まったく同じ」は違う

  例えば、競合も当社も「早い・うまい・安い」と
  掲げていたとしても、「早い・うまい・安い」の
  3軸に対する優先順位・ウエイトの置き方、
  軸の解釈・定義までも同じとは限らない。
  
4)仮に、全く優先順位も定義等も同じならば、
            その一歩先をいけばいい。

大切なのは

「自社の目指すゴールの実現に集中すること」

を確認し、「経営versionの『うさぎと亀』」の話もしたのでした。

ちなみに、「経営versionの『うさぎと亀』」の話とは、
何を目指して歩んだか、に視点を置いたもので、
(敗けたうさぎは亀を見、勝った亀は自分の目標を見ていた)
という内容です。

2023年6月2日金曜日

「朝礼暮改!」「朝礼暮改?」

計画をもとに運営できるようになった経営幹部のとの会話

「確かに今までとチームワークも生産性もずいぶん違います」

と、計画の意味を実感しているようでした。

「ただ時々、実行し始めて計画変更した方がいいのでは、
 と思うことがあるのですが、ただ安易に変更するのも・・」

と、「朝礼暮改」(命令や政令などが頻繁に変更され一定しないこと。
朝出した命令が夕方にはもう改められること)を心配していました。

「計画変更」と「朝礼暮改」について説明しました。

「計画変更」「朝礼暮改」

計画立案時の前提条件が何も変わらないのに、
変更する場合は文字どおり「朝礼暮改」。
単に、十分検討がされていなかった、手落ちがあった等、
で批判されるものです。

この場合実務的には、
結果に大きく影響を与えるなら変更し、
そうでない場合はそのままで変更なし、
ということになるでしょう。
いずれにしても、計画が検討不十分であったことを
深く反省する必要があります。

「計画変更」「朝礼暮改」

計画の前提条件が、違っていたり変わった場合などは
「朝礼暮改」と言われようが、躊躇なく計画変更すべしです。
積極的に新しい前提条件にマッチした計画に修正することが必要です。
この場合、批判されるのは「一成不変」、
マッチしなくなった計画に固執することです。