組織運営では、ビジョン・方針・目標等の号令を多く活用しています。
号令は、”Simple is the best” を旨とせよです。
「●●に向かい全速力で前進!!」だけで十分です。
それが、
「●●に向かい全速力で、適宜ブレーキをかけて進め」
というように、号令に注意や配慮事項を付け加えたり、
相反するような概念を併記しているものがあります。
間違ってはいないし、丁寧でもあります。
しかしながら、複雑で迫力不足です。
がむしゃらに前進することよりも、
ブレーキの場所が気にかかり、
前進のスピードは大きく落ちてしまいます。
号令の「全速力」というアクセル部分が、
「適宜ブレーキ」に相殺され、
号令にはスピードの概念がなくなってしまいます。
「●●に向かえばいい」と、方向だけしか伝わりません。
そもそも号令は、ある行動を強化・促進をするためのものです。
いわばアクセルの役目です。
そこに相反する概念のブレーキも併記したら、
迷わせるだけ、混乱させるだけです。
結果的に、何も伝えていないと同じになります。
号令はアクセルの部分だけ。
「全速力で前進」する部隊に、
危険な場所で「少しスピードを落とせ」
「●●を気をつけて進め」と注意を促し、
ブレーキをかけるのが管理者の役目です。
ブレーキの場所まで部下に判断させようとするのは、
すべてを部下に押し付けているのと同じです。
管理者は不要。管理者の存在意義が疑われます。
号令はアクセル部分だけ、
適宜ブレーキをかけるのは管理者の役目なのです。