2009年8月1日土曜日

「俺はいいけど、YAZAWAは・・・なんていうかな」

本日の日経新聞で、ロック歌手矢沢永吉の記事があった。
キャロルから始まり、「成り上がり」そして「YAZAWA よろしく・・・」で有名な
個性の強いロックシンガー。今年の9月に還暦だそうだ。
その記事の中で、下記のくだりがあった。


「音楽業界に流布している逸話がある。
レコーディング中、作品の出来を聞かれ、セリフのように漏らしたという。
『俺(おれ)はいいけど、YAZAWAは・・・なんていうかなあ』
いわゆるダメだしであろう。」

「俺」は精一杯歌った・・・頑張った。よくやった。
しかしながら「YAZAWAという商品」からしたら、このレコーディングはいまいちだな。
もう一度取り直し・・・
ということではないだろうか・・・・

「自分」と「立場(役割)」の両面をきちんと認識しているといえる。

俺という自分は、1人のシンガー。
YAZAWAというのは、ファンの期待にこたえないといけない
という任務を背負ったプロデューサーの役割を持った立場。

この二面の自分を使い分けている。

おうおうにして、自分という一面の観点でしか見れなくなってしまう。
「一所懸命頑張ったから勘弁してもらおう・・・」
「これが精一杯、お客様も理解してくれる・・」
「あれだけ、部下が頑張ってくれたのだから、これ以上は言えない」
という傾向は誰しももっている。

そこには「立場(役割)」の面が希薄になり、。
自分の都合にウエイトがかかりつつある。
期待してくれている人の視点が無くなってしまう。

これでは、期待に応えられないことになってしまう。

別の言い方をすれば
「自分はプロセスに、役割はアウトプットに」
重点を置いているともいえる。

矢沢のこのフレーズは示唆にとんでいる。

40年以上もトップスターとして君臨し、
「YAZAWA」ブランドというブランドを毀損せずに、
長年ファンに支えられてきた理由の1つではないだろうか・・・・

このフレーズは使える。
「俺はいいけど、社長・専務(役割)としてはどうかな・・・」と。

ある会社の社長室に、「YAZAWA」のサイン入りの写真が飾ってあった
(社長に聞いてみると、ファンクラブまで入会していた)ことを思い出した。
なるほど・・・・、これで、理解できるような気がした。