ある会社の役員と責任者の論議の場面
役 員 「業績が、いまいちなんだけど・・・」
責任者 「頑張っているのですが・・・・」
役 員 「新規の開拓状況はどうなってる?」
責任者 「はい、頑張ってやっています」
役 員 「既存客への訪問活動のほうは?」
責任者 「はい、やっています」
役 員 「既存客への商品拡大についてはどう?」
責任者 「はい、やっています」
役 員 「・・・・・」
責任者 「・・・・・」
役 員 「でも、業績がいまいちだからなんとかしないと・・・」
責任者 「何か、いい方法があったら、教えてください」
上記と同様な場面を、見た事や、実際に経験されたことはないだろうか?
役員にしてみると、いろいろな方向について、業績の打開策を模索しようとしている。
しかしながら八方塞の状態になっている。
この八方塞の論議の問題点は?
抽象論で終始しているところにある。
単に、活動の方向性を確認したに過ぎない。
その活動の具体性のレヴューが不十分であることにある。
上記の論議では、下記のように具体的に確認していく必要がる。
「新規の開拓状況は?」
「訪問の対象はどうしている?」
「どれくらい訪問できた?」
「何件くらい案件がでてきた?」
「受注ができたのは?」
「○○会社の提案内容は?」
「それは、何が阻害要因になっている?」
等々
というように、どんどん確認していく必要がある。
具体論で話していかない限り、抽象論では、必ず八方塞になる。
それと、『やっています』という意味は非常に広い意味で使われる言葉であることを、
認識しておく必要がある。
『やっています』の意味の解説
1、部下に「やれ・・」と指示を出しました。
2、過去にやったことがあります
3、思い出せば、やっています
4、気にかけており、できるときはやっています
5、優先課題と認識はしていますが、実施率は2~3割程度です
6、優先課題と認識し、実施率は5~6割程度です
7、例外を除き、ほぼ完全に実施しています
というように、私が知りえるだけの意味でも7つ以上ある、
非常に幅広く使われいる。
どの『やっています』の意味が使われているのか・・
具体的に確認する必要がるかも知れない。
具体論を軸に、きちんと論議をしていく癖をつける必要がある。
過日紹介した著書「『坂の上に雲』に学ぶ中小企業経営力」においても、
その具体論の必要性を、秋山好古・真之、正岡子規の会話を題材に
違う角度から解説しています。
衆議院選挙で大勝した民主等の税金の無駄使いレヴューにおいても、
高級官僚のこのような抽象論に踊らされは、改革は無理。
具体論でどんどん突っ込んで、行く必要があろう。