2012年3月2日金曜日

「この2年でやったのは当たり前のことばかり」

2月29日の日経新聞「ニッポンの企業力」でJALの復活について
取り上げられていました。


破綻前に「JAL再生タスクフォース」が結成され再建計画を
まとめ国土交通省に報告しました。
しかしながら、それは諸々の理由でお蔵入となりました。


その後2010年にJALは会社更生法を申請し
稲盛会長が再建を引き受け経営にあたりました。
2012年3月期には最高益の見込み、と復活を遂げました。


稲盛会長が行ったことは、実はタスクフォースの描いた計画と
大きく変わることがなかった、奇策なし、という内容です。


「企業再生にはマジックはない。結局、誰がやっても同じ絵を描いたと思う」
「この2年でやったのは、当たり前のことばかり」


とタスクフォースのメンバー、そしてJALの元経営企画担当のコメントも、


不振企業に施す処方箋のほとんどは正攻法。
部外者は「マジック」と呼びたがるが、
冷静に現状を分析し、合理的な決断を下しているだけだ。
日本の不振企業の多くは、当たり前の決断ができなくなっている。

という内容でした。


「当たり前のことを、実行する」
一番難しいことなのかもしれません。


組織の中にいると、当たり前のことが
組織の論理で歪められていたり・・・
利害対立のために実行できなかったり・・・
と、これは組織が持っている性のひとつです。


この組織の性に埋没し、「組織に使われるリーダー」ではなく、
組織の性を理解し、「組織を使うリーダー」でなければならない
ことを肝に銘じなければなりません。


そして「当たり前のこと」とは何かを、
改めて問い直してみる必要があるのかもしれません。