2026年9月16日水曜日

「経営に迷ったら、『当たり前』に戻る」

 長年、経営コンサルタントという仕事をしていると、
「経営には、何か特別なノウハウがあるのですか」
と聞かれることがあります。

もちろん、経営には様々な理論や手法があります。
それらを学び、使いこなすことも必要です。

しかし最近、こんなことを思います。
「経営の基本は、人生の基本とそれほど変わらないのではないか」と。

約束したことは守る。
相手の立場になって考える。
何かを始める前には、きちんと準備する。
うまくいかなければ、原因を考えてやり方を変える。
間違えたら、素直に認めてやり直す。
そして、何のためにやっているのかを忘れない。

こうして並べてみると、どれも難しい経営理論ではありません。
子供の頃から教えられてきたような、ごく「当たり前」のことばかりです。

ところが、会社という組織の中では、
この「当たり前」が、いつの間にか見えなくなることがあります。

「この業界では、これが普通だから」
「うちの会社では、昔からこうしているから」
「前任者から、このやり方で引き継いだから」

そんな言葉が積み重なっていくうちに、
本来なら「ちょっとおかしい」と気づくはずのことまで、
会社の中では「常識」になってしまいます。

いわば、「業界の常識」や「会社の常識」という森の中で、
迷子になってしまうのです。

そんな会社を前にした時、経営コンサルタントとしての私の役割は、
何か難しい理論を持ち出すことではないように思います。

「そもそも、何のためにやっているのですか」
「お客様の立場から見たら、どうでしょう」
「普通に考えたら、それはおかしくありませんか」

そんな問いかけをしながら、一度、原点まで戻ってみる。
すると、複雑に見えていた問題が、
案外、単純な問題だったことに気づくことがあります。

経営には、新しい知識も必要です。
新しい技術も、様々な経営手法も必要でしょう。

しかし、新しいものを学ぶことと同じくらい、
大切なことがあると思います。

それは、
「当たり前のことを、当たり前に考えること」。
そして、その「当たり前」が、
いつの間にかおかしな常識にすり替わっていないか、
時々立ち止まって確かめることです。

コンサルティングとは、特別なことを教える仕事ではないのかもしれません。
会社の中で見えなくなってしまった「当たり前」を、
もう一度、見えるようにする。

そして、迷子になった会社と一緒に、
「そもそも、何のためにやっているのか」という原点に戻る。
それが、私の考えるコンサルティングです。

考えてみれば、これは経営だけの話ではありません。
仕事も、家庭も、人間関係も、そして人生そのものも同じです。

迷った時ほど、難しい答えを探す前に、一度「当たり前」に戻ってみる。
案外そこに、進むべき道が見つかるのではないでしょうか。

Text reviewed and edited with support from Charlotte Grace Ashford 
(AI Assistant, aka “Lottie”)