昨日、以前の札幌の同僚と1年ぶりで会った。
興味深い話を聞かせてもらった。
なかなか北海道ではいい米が育たない・・・
なんとかコシヒカリを凌ぐ米を作りたい・・・
ということから、北海道の念願をかなえる米が開発された。
それが、「ゆめぴりか」というブランド米
『夢』とアイヌ語で美しいを意味する『ピリカ』を組み合わせた名前。
その「ゆめぴりか」の名称はを冠するためは、
低いほどうま味が増すタンパク質含有率を6.8%以下に
抑える独自基準に合格しなければならない。
天候が良かった昨年の試験栽培では、ほぼ全量が基準に合格した。
しかしながら、冷夏による不作で6.8%以下に
届かないコメが8割近くを占めた。
北連の下した決断は、「基準変更は行わない」であった。
三越札幌店、大丸札幌店等で「ゆめぴりか」関係の
イベント等に影響を与えた。
という話であった。
北連は、いろいろな悩んだのではないかと想像する。
農家からの突き上げ、販売先からは矢のような催促・・・
ブランドを維持していくにあたって、いろいろな問題が発生する。
こと、農産物なら天候に左右される・・・
もし、不作という理由で基準変更を行ったらどうだろう、
確かに、農家・販売先からは喜ばれるだろう。
しかしながら、今まで「ゆめぴりか」という一所懸命
つくりあげたブランドは、毀損されてしまう。
そして、そのブランドは立ち直れないかもしれない、
立ち直れても相当の時間・コストがかかってしまう。
「信頼を築くのは時間がかかる、しかしながらそれは一瞬で壊れる」
とよく言われる。まさにこれと同じである。
北連の判断は、「ブランド価値」というのをきちんと
認識した判断ではないだろうか・・・
確かに、ことしは天候の関係でいろいろな関係者に
迷惑をかけることになっただろう。
しかしながら、数年経って必ず、
この判断の正しさが、語られるだろうと思う。