2010年2月17日水曜日

「循環・スパイラル」を切り替えるのはリーダー

企業経営には、循環というものがつきものである。

いい時には、どんどん善くなっていく。
しかし、悪いときは、ドツボにはまっていく。

企業全体の循環(スパイラル)としてとらえるなら

<悪循環>          <善循環>

業績が悪い           業績がいい
   ↓                ↓
投資が出来ない        投資ができる
   ↓                ↓
生産性が低いまま       生産性が向上
   ↓                ↓
業績がより低下する      業績がより高まる

というものもあれば、風土的な側面では

<悪循環>          <善循環>

自信が無い           自信がある
   ↓                ↓
能力の範囲での仕事    能力拡張に挑戦する 
   ↓                ↓
成長しない            成長する
   ↓                ↓
競争に負ける         競争に勝つ
   ↓                ↓
自信がもてない        自信が高まる

というものもある。
他にも多くの循環・スパイラルがいたるところで
企業経営には存在する。

悪循環のサイクルに
はまってしまったこと自体を認識していないケースもあれば、
その循環から抜け出せずに、ずるずると低迷を続けるケースもある。

個々のレベルで、なかなか脱却できるものではない。
その循環から脱却しようとするには決断がいる、エネルギーがいる、
リスクが発生する。

この悪循環を断ち切るのは、リーダーに他ならない。

投資が十分に出来ないのであれば、分散させている資源を集中させることも必要だろう。
自信を失っているのであるならば、自ら陣頭指揮をとることも必要だろう。

「坂の上の雲」の日清戦争の旅順において、秋山好古が敵情視察中に敵大軍と遭遇し
戦闘となる場面を思い出した。

(兵が萎縮している)
と好古はそうみた。
どの兵もせいいっぱいの勇気をふるって射撃動作をくりかえしているが、将校も兵も一つ針をつけば
泣きだしそうなくらいに緊張、というよりも硬直しきっていた。
こういうばあい、指揮官の精神がどういうぐあいであるかを、味方にみせてやらねばならない。
その意味では、いくさは指揮官にとって命がけの演技であった。
「前へ出るけんの」
と、好古は馬にのり、その高姿勢のまま前へすすめた。
副官が狂ったように馬の口にとりすがったが、好古は行くのみである。

坂の上の雲 2巻 「日清戦争」より

逆境の時にこそ、リーダーの真価が問われる。