2010年6月30日水曜日

松下幸之助 不況克服の心得十ヶ条

ノートの整理をしていたら、「Consulting View Points」という名のノートを発見した。
昔、いろいろな気づきや、ノウハウを書き綴ったノートだった。
ページをめくっていると、松下幸之助の「不況克服 心得十ヶ条」というのが
あった。出典が記録されていないが、どこかの本を切り抜いた形跡がある。
本日は、その十ヶ条を紹介する。


第1条 「不況またよし」と考える
     不況に直面して、ただ困った困ったと右往左往していなか。
     不況こそ改善、発展へのチャンスであると考える前向きの発想から、新たな道も開けてくる

第2条 原点に返って、志を堅持する
     ともすれば厳しさに流されて判断を誤りやすい不況時にこそ、改めて原点に返り
     基本の方針に照らして進むべき道を見定めよう。
     そこから正しい判断も生まれ、断固とした不況克服の勇気と力が湧いてくる。

第3条 再点検して、自らの力を正しくつかむ
     ふだんより冷静で念入りな自己評価を行い、自分の実力、会社の経営力を
     正しくつかみたい。誤った評価が破綻を招くのである。

第4条 不退転の覚悟で取り組む
     なんとしてもこの困難を突破するのだという強い執念と勇気が、思いがけない大きな
     力を生み出す。不況を発展に変える原動力は烈々たる気迫である。

第5条 旧来の慣習、慣行、常識を打ち破る
     非常時ともいえる不況期は、過去の経験側だけのものでうまくはいかない。
     これまで当然のこととしてきた習慣や商売の仕方を、徹底的に見直したい。

第6条 時には一服して待つ
     あせってはならない。無理や無茶をすれば、深みにはまるばかりである。
     無理をせず、力を養おうと考えて、ちょっと一服しよう。そう腹を据えれば、
     痛手も少なくなる。終わらない不況はないのである。

第7条 人材育成に力を注ぐ
     「苦労は買ってでもせよ」というが、不況とはその貴重な労力が買わずとも目の前
     にあるときである。好況の時にはできない人材育成の絶好の機会としたい。

第8条 「責任は我にあり」の自覚を
     業績低下を不況のせいにしていないか。どんな場合でも、やり方いかんで発展の道はある。
     うまくいかないのは、自らのやり方に当を得ないところがあるからである。

第9条 打てば響く組織つくりを進める
     外部環境の変化に対する敏感な対応は、よい情報も悪い情報も社員からどんどん
     あがってくる。お互いの意思が縦横に通い合う風通しのよい組織であってこそ可能となる。

第10条 日頃からなすべきをなしておく
     不況時は特に、品質、価格、サービスが吟味される。
     その吟味に耐えられるように、日頃からなすべきことをなしていいくことが必要である。