偉大なバッター言えば、「イチロー」。
今年も大リーグのオールスターで、先頭バッターで第1打席にヒットを打った。
また、昨年のオールスターでは、初のランニングホームランも記憶に新しい。
年間最多安打を打った年の実績を見てみると・・・
年度 試合数 打数 ヒット数 打率
2004 161 704 262 0.372
という実績で、日米の注目を集めた。
普通「良い打者」と言われる2割8分の打者と、3割5分を打つリーディングヒッターを比べてみよう。
イチローが3割5分の年の実績は
年度 試合数 打数 ヒット数 打率
2007 161 678 238 0.351
だった。
2割8分の普通のいい打者であれば、イチローと同様の打数の場合
年間190本(678×0.28)のヒットを打つことになる。
イチローとヒットの差は、48本(238-190)。
試合数をこのヒット数で割ると、3.35試合/本
この3.35試合/本の意味が実は重要。
すなわち、2割8分の良い打者より、3.35試合に1本多くイチローは打っているだけなのである。
言い方を変えれば
2試合見ただけでは、イチローと2割8分の打者のヒット数は変わらない。
3試合見て、イチローの方が1本だけヒットが多い・・・
微妙な違いなのである。
この微妙な差のために、彼らは、ファンの想像の超えた努力をしている。
ビジネスのいろいろな場面でも同様のことが言える。
特に、人を相手にする確率論的な側面の営業などではピッタリはまる。
ある手法を用いたから100%受注ができる・・・ということなどは絶対にない。
この微妙な違い・差が重要であることを認識する必要がある。
来店客数で、100人と105人を感覚的に認識することが難しいように
この微妙な差というのは感覚では、なかなか認識できるものではない。
きちんと記録をとって、自ら客観的に把握するしかない。
そして、その数割・数分の改善のために、懸命な努力をすることが必要なのである。
ライバル会社との微妙な差・違いがその差別化を生む源泉となったりする。
イチローの華やかなレーザービームで感動するかたわら、
この数割、数分の微妙な違い・差への努力の必要性を、思うのである。