2009年6月4日木曜日

高田屋嘉兵衛のブランド

本日、町起こしのプロジェクトの打ち合わせに参加していた。
地元ブランドを作るというもの・・・

「彼は多弁を必要としない商人だった。 (高)のしるしのついた荷は品質と数量に
 ごまかしがないとされていたから、荷について非日常語を多く用いねばならぬことはなかった」
 菜の花の沖(司馬遼太郎)・・・6巻 あとがきより

「菜の花の沖」は幕末、高田屋嘉兵衛という北回船で財をなした人のはなし。
当時の商人は、品質や数量をごまかすというのが当たり前の中、嘉兵の扱う荷はごまかしがない。
そのしるしとして(高)のしるしが付けられている。

(高)のしるし、今でいうブランドマークである。
江戸時代にブランドマーケティングをしていた人がいた訳である。

ブランドには、約束がいる。その約束を果たしているものの証として、ブランドマークが付けられる。
これが基本。

その約束とは何か?というのが重要。

高田屋の場合は、「品質と数量にごまかしが無い」という約束。

町おこし・・・
「○○で取れたから」・・産地を現すだけ。

北極で取れた・・・、
南極で取れた・・・、
月で取れた・・・、
火星で取れた・・・
ならば産地の意味もあろう。

日本には、1776の市町村がある。
それぞれが産地だけのブランドあれば、北は稚内産トマトから始まり、南は竹富町産トマト・・・
1776の産地ブランドトマトが生まれる。

一体これに何の意味があるのだろう。

○○産だから、糖度▲▲%を担保している。
というようにいわれて始めて意味があり、約束があるのではないだろうか・・・・

安易な産地ブランドつくりに問題提起したい。

本日の打ち合わせでは、上記をご理解いただいた。

ほっ・・・・